阿須小久保線整備進む 西武線跨ぐ橋建設へ

橋の建設予定地付近。左が岩沢白髭神社、右の奥に駿河台大を臨む

 飯能市は、平成29年度予算に、市道阿須小久保線と西武池袋線が交差する、こ線橋の南側からの工事用進入路関連費約500万円を盛り込んだ。また、北側の岩沢北部土地区画整理事業地内からの進入路の整備は既に進行していて、同橋の完成は平成33年の見込み。

 阿須小久保線は、昭和41年3月に計画された市街地の東端を南北に縦貫する道路で、総延長4080メートル、幅員1618メートル、片側2車線の歩道付きの道路。

 南側は、駿河台大学近くの県道富岡入間線(阿須菅沢)と交差する地点を起点に、北側は、宮沢湖南の防災センター付近(飯能愛宕)の県道飯能寄居線につながる地点が終点。

 平成28年4月1日現在、幅員16メートル区間が1660メートル、18メートル部分980メートルが整備済みだが、16メートル区間1070メートル、18メートル区間370メートルの合計1440メートルが未整備になっている。

 そのうち、計画では、岩沢の北部と南部で事業が進行している区画整理地内を1010メートル縦貫している。しかし、バブル崩壊などの影響で、両地区の事業進捗が大きく後れ、両地区内を通る同線の整備も進んでいなかった。平成21年度に事業の大幅な見直しが行われたものの、現在のところ両地区内で供用開始されている同線は、南側の入間川に架かる阿岩橋から市道1―7号線に至る約130メートルの区間に過ぎない。

 両地区は、21年の見直しで、北部が、当初の計画44・2ヘクタールから17・8ヘクタールに、南部は、55・4ヘクタールから36・5ヘクタールに縮小され、事業の早期完成にめどをつけ、合わせて、南北に貫く幹線道路の同線の整備が最優先されることとなった。

 見直し後の両地区合計の総事業費は約140億円で、事業完了は平成40年度の予定。

 西武線と交差する同線の高架のこ線橋は、北部と南部をつなぐ交通の要衝。

 市では、市道1―7号線の北側から西武池袋線を越えて双柳岩沢線に至る570メートル間を一つの工区と考えて整備していく方針。

 同橋は、線路をまたぐ部分は約20メートル、8スパンの橋になり、橋台、橋脚を造る工事及び、それに伴う盛り土工事、桁を掛ける工事などが行われ、橋の完成には5年程度掛かると見込まれているが、どの辺りから高架化するかなどの具体的な設計はこれから。今年度は調査等の関連費として総額約4000万円が予算化されている。着工時期は未定だが、完成は平成33年を目指している。

 同橋が完成しても、北部の用地買収等に時間がかかるものと予想されており、市では、先に双柳岩沢線を整備し、迂回する道路の建設を検討している。

 同線が、完成すると、宮沢湖周辺で工事が進むメッツァと、あけぼの子どもの森公園が直結するなど、飯能市の交通の大動脈がつながることになる。