中国・台湾メディアなど来飯 外国人旅行者へ魅力アピール

カヌー工房では手作りボードで一行を歓迎した。中央が中国メディアら

 国土交通省が実施する外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン地方連携事業」の一環として8日、中国・台湾のメディア、旅行会社6社の関係者が飯能市を訪れ、あけぼの子どもの森公園やカヌー工房を視察した。

 同事業では飯能市を含む横浜市、足利市、川越市、富岡市、沼田市の6市が連携し、富岡製糸場から横浜港へと続く「絹のみち」を「日本シルクロード(SilkRoadAroundTokyo)」として位置づけ、外国人旅行者にその魅力をアピールする。

 国交省によると、現在の訪日需要を一過性に終わらせないためには、訪日旅行者の多い国を対象に、自治体や地域の観光振興に取り組む民間組織が主体となって、広域的で効果的な事業を展開し、外国人訪問者数の増加を目指す必要があるという。

 日本シルクロードは、富岡市から横浜市へと続く「絹のみち」を周遊ルートの一つとして開発し、モデルコースとして外国人旅行者に浸透させるのが狙い。地域経済の活性化についても視野に入れ、飯能市は今年度からこの地方連携事業に参画した。

 主な外国人旅行者のターゲットは、中国・台湾のパッケージツアーで日本を訪れる中華圏ファミリー層、日本の文化・歴史に関心のある訪日リピーター層、横浜港に寄港するクルーズ客など。

 今回の中国・台湾のメディア、旅行会社による視察は、日本シルクロードの認知度向上事業として、参画する各市の魅力を見てもらおうと、6日~9日の3泊4日の日程で行われた。

 一行は6日昼に羽田空港に到着し、横浜の三渓園、横濱きものステーションなどを巡り、7日は川越の川越市立博物館で機織りを体験。8日は午前中に飯能を訪れ、あけぼの子どもの森公園を見学し、名栗カヌー工房でカヌー体験などを行い、午後は富岡の富岡製糸場を視察、9日は沼田のフルーツ狩りや足利の足利フラワーパークを訪ねた。

 あけぼの子どもの森公園では、市職員が公園の名前の由来や見どころなどを説明。一行は公園内の建物や景観を写真に収め「観光に訪れる人は1日にどのくらいですか」「団体で訪れた際に駐車場はありますか」などと熱心に質問を寄せた。

 名栗カヌー工房では、わくわく名栗クラブ(旧・名栗活性化検討委員会)のメンバーが手作りのウエルカムボードで出迎え、山田直行代表理事がカヌーの種類や工程を説明した後、名栗湖でのカヌー体験を行った。

 台湾から訪れた旅行会社の女性(28)は「飯能は初めて来たが、温かい気持ちになった。飯能の魅力をもっと研究してツアーに組み込めたら」と興味を示した。

 市担当者は「飯能に良い印象を持ってもらったと感じている。今後、ツアーの一部に飯能を入れてもらえることを期待している。海外からの観光客を誘致して、飯能の活性化や知名度アップにつなげたい」と話している。