【動画】ハチミツ求め、クマが襲撃 上名栗林内で養蜂被害

被害に遭った巣箱の設置場所を指さす平沼さん

 飯能市上名栗の人里に近い林内で、養蜂の巣箱がクマに襲撃される被害が6月下旬と今月2日の計2回、発生していたことが、関係者の話で分かった。

 被害に遭ったのは、上名栗で石材業を営む平沼庸欣(のぶよし)さん(77)。

 本業の傍ら、20年ほど前からミツバチを飼育し、今ではシーズンになると、一斗缶(約18リットルの容量がある角形の金属缶)6本のハチミツを採り、地区内の加工直売所など観光施設に卸している平沼さん。

 名栗地区行政センターに近い自宅の庭に、ミツバチの巣箱複数を設置している。

 クマに襲撃された巣箱は分蜂目的で、自宅から約1キロメートル離れた所有地の山林に置いたビールケースほどの3つ。

 先月30日と今月2日の2回、いずれも現地に様子を見に行った平沼さんが、荒らされた状態で地面に転がっている巣箱を発見した。

 30日の被害の後、巣箱1つを自宅に持ち帰り、2日に再度現地を確認して残りの巣箱もひっくり返されるなど、壊されているのを見つけた。

 現地は人里に近いため、平沼さんは最初の被害後、直ちに地区行政センターの職員に通報。その後、市担当部署職員と猟友会メンバーが現地を確認し、親と思われるクマの足跡があるのを発見したという。

 平沼さんは「長く養蜂をしているが、クマに巣箱が荒らされるのは初めて」と話すとともに、今後、人的被害の発生がないか危惧している。