逆風はねのけ市政充実へ展望 4選の谷ケ﨑氏

花束を手に4期目の抱負を語る谷ケ﨑氏。左は由美子夫人

任期満了に伴う日高市長選挙は21日投開票が行われ、現職の谷ケ﨑照雄氏(69)=無所属、自民・公明推薦=が4選を果たした。12年ぶりの選挙戦となった市長選は、いずれも新人で前市議の田中まどか氏(64)=無所属、立憲民主・社民推薦=と松尾万葉香氏(41)=無所属=の女性2人を相手取っての三つ巴となり、谷ケ﨑氏は「自民党の裏金問題や全国での女性市長誕生といった情勢が私にとっては逆風となり、非常に厳しい選挙だった」と分析。一方で、都市基盤整備等に取り組んだ3期12年の成果を「間違っていなかった」と振り返り、「企業立地等で増加した税収を教育や子育て支援、福祉の分野に活用していく」と4期目への展望を語った。

得票数は、谷ケ﨑氏が8714票、田中氏が6567票、松尾氏が5428票。当日有権者数は4万5617人(男2万2621人、女2万2996人)、投票率は45・81%で、前回12年前の平成24年の市長選より1・97ポイント低下した。

開票作業が始まると、谷ケ﨑氏の選挙事務所・上鹿山公会堂には、大久保登後援会長、小谷野五雄選対本部長、鈴木健夫市議会議長、保守・公明市議、新井重治飯能市長、野田直人飯能市議会議長、内沼博史県議、大塚拓衆議院議員、近隣の首長をはじめ多数の支持者が詰めかけ、午後11時、3回目の開票速報で当選が確定。

盛大な拍手を受けて会場入りした谷ケ﨑氏と由美子夫人を囲み、万歳三唱や花束贈呈が行われ、谷ケ﨑氏は「12年ぶりの選挙戦、現職のためスタートは出遅れたと思うが、小谷野選対本部長とその後援会、保守・公明市議の皆さんが自分のことのように動いて下さり、総合力で勝つことができた」と感謝。

「大変厳しい選挙だったが、12年間私がやってきたことが間違いではなかった、一定の評価を頂いたことが確認できたと思っている。これから、高齢者や子育て支援、教育といった分野により一層力を入れていきたい」と抱負を語った。

三つ巴の激戦については、「自民党の裏金問題の影響や、全国で女性市長が誕生しているといった流れが私にとっては逆風として影響したのではないか」と振り返り、保守系の市長として「地方政治を進めていく上でも、自民党政権にはしっかりしてもらい、襟を正して国民の負託に応えて頂きたい」と苦言を呈した。

4期目の展望として「この12年間は道路整備や企業が進出しやすい環境づくりといった都市基盤整備に力を注いできた。これから色々な企業が日高に進出し、雇用の確保や税収増にも大いに期待できる。増加した税収を教育や子育て支援、福祉の予算として優先して配分していく。また、大きな課題は人口減少と高齢化。課題を解消すべく施策を進めていきたい」などとした。

田中氏は、立憲民主、社民の推薦を受け、子育て支援や公共交通政策の推進、学校給食無償化、市民と共に考え行動する市役所などを訴えたが、及ばなかった。

松尾氏は、移動手段の充実や子育て支援に加え、完全無所属、前例踏襲からの脱却、世代交代などを強調したが、伸び悩んだ。