春告げる日高の「ウド」 収穫最盛期に 

ムロの中は適度な湿気と温度があり動くと汗ばむ

日高市田木の農家・金子修さん(48)宅で、同市特産「ウド」の収穫が行われている。

同市のウドは「軟化うど」と呼ばれる軟らかで白色のもの。露路で育てたウドの根株を切り取って、昨年12月に深さ4メートルほどに掘られた地中の「ムロ」に植え、土で伏せ込み、1か月ほどで収穫できる。適度な湿度を保ち、低温にならないよう温度を管理、日光に当てずに育てる。

「軟化うど」は捨てる部分がほとんどなく、山ウドに比べアクは少なく、生のまま、炒め物、天ぷら等で食べる。独特の香りは、春の到来を告げる。

例年、ムロの温度を保つのに火を入れたりするが、今年は暖かな冬で、「今年は今のところ(火を入れなくても)大丈夫」と金子さん。

ムロは、その昔、地域の農家が協力して掘ったもの。日高市東部の田木・高富を含めた高萩地区では40軒ほどの農家がウドを生産。京都の料亭で使われるなど、「日高のうど」は旬の味わいとして親しまれたが、後継者不足で現在は6軒ほどになり出荷量も減少。多種多彩な野菜が出回りウドの需要も減っていることから、「無くなりそうな伝統野菜」と語るが、祖父の代から続く「日高のうど」の生産に力を入れる。   

金子さんおすすめの食べ方は、マヨネーズと味噌を混ぜ生で食べること。妻の弥生子さん(44)は、「今しか味わえないので、ぜひ直売所でお求めください」と笑顔で話した。

最盛期は2月。その後も4月頃まで出荷が続く。金子さんの生産したウドは、「あぐれっしゅ日高中央」(日高市猿田)や「高萩南農産物直売所」(同中沢)で購入可能。他生産者のウドも市内農産物直売所等で購入できるという。 「日高のうど」について詳しくは市のホームページで紹介されている。https://www.city.hidaka.lg.jp/tourism_environment/16/tokusan/7005.html