わせがく夢育高校開校式 「地域と共に成長」期待

市や地域関係者を招いて行われた開校式

 飯能市平戸の旧東吾野小学校校舎を活用し、4月に開校した通信制高等学校「わせがく夢育高等学校」の開校式が17日に同校体育館で行われた。

 市や学校関係者、地域住民などが出席し、歴史ある旧校舎を活用した新しい学び舎の誕生を祝うとともに、地域と連携しながらの学校運営に期待した。

 わせがく高等学校と早稲田予備校を運営する学校法人早稲田学園が新たに開校したわせがく夢育高等学校は、飯能を本校とし、川越駅東口駅前に川越キャンパスを設け、定員は両校合計で450人。

 飯能・川越から選んで通える通信制高校として、週5日通学の「全日型」、週2日通学の「通学型」、自分に合った時間割を組み立てることができる「マイスタイル」、年間8日間のスクーリングに出席し他は自宅で学習する「自学型」などの多様な学習スタイルを選ぶことができる。

 旧東吾野小は、旧西川小、旧吾野小との3校統合による奥武蔵創造学園奥武蔵小学校の開校に伴い、平成31年3月に閉校。

 市は地域の発展につながる跡地利用を募集し、新校開校への意向を示した早稲田学園、東吾野地区の代表者で組織された連絡協議会との3者で小学校の利活用の協議に関する基本協定を締結し、開校に向け準備を進めてきた。

 普通教室や特別教室をはじめ校舎内は改修され、雰囲気も一新。オンライン配信ができるスタジオ付放送室、選択科目として導入した「eスポーツ」に打ち込めるゲーミングPCなども整備された。

 地域の力を生かした学びを推進するとして、市の森林文化や自然・歴史などの体験学習、地域の人材を特別講師として招いての講演や実習、地域のイベントへの参加などを行って地域理解を深め、市が推進するGIGAスクール構想と連携し、小・中学校との交流を深めるなどとしている。

 市、学校関係者、地域住民らが出席した開校式では、学校法人早稲田学園の守谷たつみ理事長、同校の岩澤正明校長、来賓を代表して新井重治市長、内沼博史県議、関田直子市議会副議長、中村力教育長、東吾野地区連絡協議会の石田安良会長が挨拶。

 岩澤校長は、「飯能市の豊かな自然や森林文化などの教育資源を活用し、体験活動や多様な人々との交流を通して、自らの特長や可能性を発見しコミュニケーション能力や課題解決能力など新しい時代に求められる資質を身につけ、社会で自立できる生徒を育みたい」としたほか、「旧東吾野小は134年の歴史を持つ地域に愛された学校だったと聞いている。地域の皆様のその思いにお応えできるよう、教職員、生徒で力を合わせ、地域の学校として認めて頂けるよう努め、地域振興や活性化の一助となりたい」と述べた。

 新井市長は、旧東吾野小の閉校から新校開校に至るまでの関係者の尽力に感謝し「夢育高等学校という素晴らしい学校名の通り、この地で生徒一人ひとりが将来の夢の実現に向けて成長し、邁進していく姿が目に浮かぶ。地域の教育力を生かした、地域と共に成長し続けていく学校として、貴校とともに東吾野地区がさらなる活力、賑わいを生み出していくことを信じている。地域・学校の夢が実現できるよう、皆様のご支援ご協力をお願いしたい」と呼びかけた。

 地域を代表して連絡協議会の石田会長は、旧東吾野小の歩みを振り返り「長い歴史を誇った東吾野小が閉校したこの地で、新たに開校式を迎えられたことは、私たちにとっては感慨深く、この上ない喜び。地域と共に歩んでいくことを願っている」と語った。

 その後、改修工事を手掛けた細田建設への感謝状贈呈などが行われ、最後に、生徒を代表して松坂亜依鈴さんが登壇。

 「自然豊かな環境の中、多様な体験と地域の方々との交流をしながら、将来の夢を育んでいきたい。地域の皆様に愛された旧東吾野小の思いを受け継ぎ、新たな学び舎として10年、20年と栄えていくように、先生方、飯能市の皆様、地域の皆様のお力をお借りしながら、愛される学校になるよう頑張っていきたい」と語った。