狭山茶生産の吉野園 「山の息吹」初摘み

山の息吹の新芽を手摘みする吉野さん一家

 狭山茶を生産する日高市森戸新田の茶園「吉野園」で12日、ハウスで栽培した早生(わせ)品種の茶葉「山の息吹」の初摘みが行われた。

 同園は「新茶の爽やかな風味をいち早く届けたい」と本格的な茶摘みシーズンの到来より一足早く茶摘みを行っており、ハウス内では園主の吉野道隆さん(47)一家らが手摘みで作業に励んだ。

 暖冬だった昨年より3日遅れての初摘みとなり、吉野さんは「今年は年明けから寒い日が続いたが、新芽の成長期にあたる3月が穏やかな陽気となったため、ほぼ例年並みの早さで成長した」と語る。

 早生品種の山の息吹は、新茶らしい爽やかで清涼感のある香りを持ち、渋味が少ないのが特徴。定期的な散水と適度な加温など手をかけたことにより、新芽の状態も良好で「みずみずしい新茶の香りと旨味が期待できる」という。

 この日は、8代目園主の道隆さん、7代目の誠一さん(75)一家、親戚などが手際よく新芽を摘み取り、約90キロを収穫。茶葉はその日のうちに製茶され、24日から店頭販売、通信販売が行われる。50グラム入り1080円。

 また、ハウスでは新芽が黄金色をし、玉露のような濃厚な味わいを持つ品種「蓬莱錦(ほうらいにしき)」も栽培しており、「蓬莱錦茶(ほうらいきんちゃ)」(50グラム入り1620円)の商品名でこちらも24日から販売開始する。

 露地栽培の狭山茶は5月の大型連休明け頃から収穫期を迎える見通し。

 同園は新品種の栽培・商品化に熱心に取り組んでいるほか、紅茶製造にも力を入れており、紅茶専用茶葉を使い、国産紅茶として20年以上前に商品化した「さやま紅茶・琥珀の茗(こはくのめい)」は、豊かな香りとほのかな甘みが広がると評判。パッケージを一新し、リーフタイプ1080円、ティーバッグ864円で販売している。

 問い合わせは、吉野園989・2243へ。