新井市長、議会で表明「ノーラ名栗」検証へ 事業経緯や今後の持続性

名栗湖入口付近の高台に整備されたノーラ名栗

 飯能市の新井重治市長は、24日に開会された市議会全員協議会(中元太議長)で、前市政が名栗地区に整備した「ノーラ名栗」について、施設の目的や事業内容などを理解していない市民が多くいるなどとして、現在のノーラ名栗として事業展開することとなった経緯やこれまでの事業の進め方などについて検証する組織を早急に立ち上げる考えを表明した。

 新井市長については、阿須地内の公有地「阿須山中」で進められているソーラー発電施設とサッカー場建設事業についても、ノーラ名栗同様、検証することを全協で報告している。

 大久保勝氏を破った先の市長選の選挙チラシで新井市長は、「あなたは今の市政に満足していますか?」として、ノーラ名栗に言及。「ノーラ名栗には市民の税金が約4・5億円も投入されました。しかし、市内ではインフラ整備や耐震化工事が遅れている状態です。今、公設・民営のこれほど大きな施設を新設する必要があったのですか?」と、疑問を投げかけていた。

 全市議が出席した全協で新井市長が行ったノーラ名栗事業検証についての発言は、次のとおり。

 「ノーラ名栗については現在、宿泊事業を行うグランピングフィールドを始め、バーベキューやサウナクラブ等の事業を展開しているが、市民の中には施設の目的や事業の内容を理解されていない方が多くいる。

 特に、宿泊事業など民間と競合する分野については多くの自治体が撤退するなど、見直しを行っている時代にあって、市が新たに参入するのは時代に逆行するのではないかという疑問視する声、将来的に経営は大丈夫なのか、施設の運営方法、事業の持続性を心配する声を私自身聞いている。

 そこで、従来、名栗特産品協議会が施設を運営してきた形態から現在のノーラ名栗として事業展開することとなった経緯を含め、これまでの事業の進め方や将来にわたる事業の持続性など事業全般にわたって、私自身でしっかりと検証したいと考えている。

 検証に当たっては、阿須山中土地有効活用事業と同様に私が座長となり、本事業に直接的に携わっていない庁内職員による検証委員会のような組織を早急に立ち上げ、できるだけ早く検証を終え、結論を出していきたい。進捗については、随時、報告をしていく」。