大久保市長の施政方針・下 「発展都市への飛躍」

大久保勝飯能市長の令和3年度施政方針演説。前号(17日付け)の続き。

 ■予算総額542億円

次に「グローバルなシティプロモーション推進プロジェクト」でございます。

森林の利活用を主としたゼロカーボンシティに向けてのプロモーション、ノーラ名栗を拠点とした情報発信、フィンランドとの交流推進、はんのうアプリによる情報発信の強化、移住定住促進・スマイルプロジェクト・ふるさと納税などによるプロモーション、民間事業者と連携したメディアプロモート、都市間交流自治体・企業・団体との連携充実、平和都市宣言の継続的発信など、本市の新たな魅力を創出し、様々な主体と連携して戦略的に魅力を発信するプロジェクトとして、関連予算、約4500万円を計上いたしました。

次に「総合振興計画前期基本計画・第6次行政改革大綱プロジェクト」でございます。

総合振興計画後期基本計画、行政経営の基盤となる計画の策定、庁内キャッシュレス決済、統合型GIS、RPA、AI-OCRの利用促進、庁内情報系ネットワークLANの無線化、マイナンバーカードの普及促進、証明書等のコンビニ交付・健康保険証としての利用促進、民間企業等との更なる連携の推進など、“変える10年!変わる10年!”の達成に向けた各シンボルプロジェクトの実現工程を加速化させるための改革・改善的プロジェクトとして、関連予算、約1億6000万円を計上いたしました。

以上のシンボルプロジェクトにつきましては、関連予算総額、約152億5800万円を計上いたしました。本市の未来に向け、飯能市から始まる日本の創生を合言葉に重点的に取り組むとともに、森林文化都市はんのうを日本の未来に向けて発信してまいります。

これらシンボルプロジェクトを含む一般会計予算案は、前年度比1・0%増の総額301億円を、一般会計に8つの特別会計、2つの企業会計を合わせました予算案総額は、前年度比1・2%増の542億767万5000円を計上したところでございます。

■自主財源の根幹、市税

続きまして、一般会計の歳入につきまして、項目ごとにご説明申し上げます。

始めに、自主財源の根幹である市税につきましては、経済状況、本市の税収動向や税制改正などを踏まえ、前年度比3・3%減の118億8237万9000円とし、内訳は現年課税分118億1459万2000円、滞納繰越分6778万7000円といたしました。

地方交付税につきましては、36億円を計上し、国・県支出金につきましては、国・県の制度や事業内容を十分に把握した上で所定の負担金、補助金及び委託金を57億7313万4000円を計上いたしました。

寄附金につきましては、ふるさと納税分として2億円を計上し、繰入金につきましては財政調整基金繰入金3億1400万円のほか、減債基金繰入金、公共施設整備基金繰入金など総額10億4839万2000円を計上いたしました。市債につきましては、臨時財政対策債20億円のほか、土地開発公社所有地取得事業債など総額34億9870万円を計上いたしました。

■安心安全な生活環境

次に、一般会計の歳出につきまして、シンボルプロジェクトとして説明いたしました事項を除き、重点施策を歳出目的別にご説明申し上げます。

総務費につきましては、発展都市費に民間事業等と連携した地方創生の推進に必要な経費を計上いたしました。バス路線確保対策では山間地域の路線を確保するため、引き続き助成してまいります。

民生費につきましては、第3次はんのうふくしの森プラン、第2次子ども・子育てワクワクプランなどの計画を実現するために、市民、関係者の皆様とともにオール飯能体制で取り組み、つながりと支え合いによる大きなふくしの森を育てていけるよう、進めてまいります。

また、障害者、高齢者の方々を支援する経費などにつきましても計上いたしました。安心安全な生活環境を提供することで、誰もが住み慣れた地域でいつまでも笑顔で暮らすことができるまちを目指してまいります。衛生費につきましては、コロナ禍にあっても市民の健康づくり支援に引き続き取り組むとともに、生活環境の保全に取り組んでまいります。また、旧ごみ処理施設の跡地整備を安全に配慮し進めてまいります。

■市域にメッツァ効果

労働費につきましては、就業支援事業として内職相談や労働相談など就業につながる支援を総合的に進めてまいります。

農林水産業費につきましては、農業振興として農業委員会とともに各施策を進めるほか、農業への企業参入等につきましても検討を進めてまいります。また、林業振興として森林環境譲与税を活用した施策を展開するとともに、西川材の森林認証を生かした利用促進など、森林の健全な育成、新たな利活用などに積極的に取り組んでまいります。

商工費につきましては、商工業振興として商工会議所、観光協会、商店街、民間事業者等との連携を強化し、メッツァのインパクトを中心市街地へ、また山間地域へ波及させるよう官民連携による活性化を引き続き図ってまいります。

土木費につきましては、道路交通ネットワークの整備、アクセス強化を図るほか、生活道路を含めた道路交通環境等の安全性、利便性の向上に取り組んでまいります。消防費につきましては、常備消防費として埼玉西部消防組合に対する負担金を、非常備消防費として積載車の更新に要する経費を計上し、防災力の向上と合わせて、日々の安心した暮らし、市民の皆様の生命と財産を守ることを最優先に取り組んでまいります。

■豊かな学びの飯能教育

教育費につきましては、教育大綱、教育振興基本計画に基づき、市と市教育委員会が互いに連携し、基本理念である「新たな時代を 豊かな学びで創る 飯能教育 挑戦・創造~学びの改革~」に取り組んでいくとともに、学校教育におきましては、「学びの共同体が創る21世紀型の学校、子どもが学び育ち合い、保護者・地域が学び育ち合うこと」をコンセプトとした学校づくりに向けて取り組んでまいります。

災害復旧費につきましては、継続費により復旧に努めてまいります。

公債費につきましては、元金、利子の合計で30億1066万円を計上いたしました。令和3年度末の地方債現在高は前年度末と比較して増加を見込んでおり、予算案におけるプライマリーバランスは赤字でございますが、将来負担比率に悪影響を与えないよう配慮したところでございます。

■179億円の8特別会計

続きまして、特別会計でございます。

特別会計につきましては、8会計総額で179億917万8000円を計上いたしました。会計ごとの予算総額などをご説明申し上げます。

国民健康保険特別会計の事業勘定につきましては、前年度比0・8%増の86億6022万8000円を計上いたしました。南高麗診療所勘定につきましては6898万9000円を、名栗診療所勘定につきましては6874万4000円を計上し、引き続き地域医療の確保に取り組んでまいります。

■4地区基盤整備推進

土地区画整理特別会計につきましては、国庫補助金を活用し補正予算として前倒しをしたことから、4つの特別会計を合わせて前年度比27・9%減の10億4108万5000円を計上いたしました。

笠縫、双柳南部、岩沢北部、岩沢南部の各土地区画整理事業地区につきましては、建物移転のほか、道路整備、宅地造成などを実施し、事業の進捗を図ってまいりますので、引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

介護保険特別会計につきましては、前年度比12・2%増の69億3158万円を計上いたしました。第8期飯能市介護保険事業計画及び老人福祉計画に沿って事業運営を進めてまいります。

後期高齢者医療特別会計につきましては、前年度比1・2%増の10億8412万5000円を、訪問看護ステーション特別会計につきましては、前年度比4・9%減の5442万7000円を計上いたしました。

■上下水道会計62億円

最後に企業会計でございます。

企業会計につきましては、2会計総額で61億9849万7000円を計上いたしました。水道事業会計につきましては、業務の予定量を給水戸数は3万7250戸、年間総配水量は1003万5300立方メートルとし、主要な建設改良事業は老朽管布設替事業などでございます。

下水道事業会計につきましては、業務の予定量を水洗化戸数は2万5600戸、年間有収水量は609万1000立方メートルし、主要な建設改良事業は汚水管きょ整備事業などでございます。

ご説明申し上げました重要施策、予算案につきましては、コロナ禍にあって、更にはポストコロナに向けて、「市民一人の漏れもない幸せ」を願い、発展都市への飛躍、真の森林文化都市への躍動、行政の持続可能な発展と継続性、そして、それに向けた大きな挑戦の気持ちをもって編成させていただきました(終わり)。