関心を持って投票を 駿大で模擬選挙

投票箱に投票する学生たち

 飯能市阿須の駿河台大学(吉田恒雄学長)で、法学部の学生約242人を対象に2週に渡って主権者教育が行われ、学生たちは選挙についての基礎知識を学び、模擬投票を体験して選挙への理解を深めた。

 選挙の意義や方法を学ぶことで積極的に政治に参加する意欲を育むことを目的に実施。講義では、ここ最近の国内外の動向も踏まえ、衆議院総選挙を間近に控えているという想定で、架空の3政党から選ぶ比例選と、架空の2個人が立候補する小選挙区選で投票が行われた。

 初回の講義では、法学部の教員が架空の3政党の代表者として議論を交わす模擬政党討論会が行われ、学生たちはその内容を踏まえて投票先を検討した。模擬投票当日は、飯能市選挙管理委員会と協力し、実際の選挙で使用している投票箱や記帳台を使用して行われ、受付や開票作業などの選挙事務は「飯能市選挙サポーター」の学生が行った。

 学生たちは、投票所の受け付けで入場券を渡して投票用紙を受け取り、記帳台で候補者名や政党名を記入して半分に折ってから投票箱へと入れた。投票後はすぐに開票作業が行われ、各候補者の得票数や無効票の数が選挙サポーターにより発表された。

 比例選では、互いを尊重し支え合う社会を目指す「ロバの党」が118票(48・76%)、日本人としての誇りと経済成長を重視する「像の党」が81票(33・47%)、平和を掲げる「ワシの党」は36票(14・87%)だった。小選挙区では像の党公認候補が148票、ロバの党公認候補(ワシの党、支持)が106票だった。

 選管の吉田実書記長による講話では、選挙サポーターや選管の仕事、選挙の仕組みや選挙費用などの説明だけでなく、選挙における年齢別の投票率を紹介し、平成28年に選挙年齢が18歳まで引き下げられ、同29年に10月に行われた衆議院議員総選挙の投票率データを示し、18~19歳が40・49%、20代が33・85%に対して60代が72・04%、70歳以上が60・94%と若い世代に比べ投票に来る可能性が高い高齢者の意見を優先的に政策に取り組む「シルバー民主主義」について解説した。

 吉田さんは「現代では、当たり前にある選挙権だが、歴史を見ると先人達が命を懸けて戦い、勝ち得た権利ということを忘れずに、社会の状況や流れに関心を持って投票してほしい」とまとめた。

 法学部1年生の宮﨑玲奈さんは「税金の使い道についてしっかり考えている政党を支持したい。選挙には自分でしっかりと考えて投票しに行く」と話し、選挙サポーターとして参加した同3年生の荻野順也さんは「よく分からないまま選挙に行っていたので、選挙の仕組みをもっと知りたいと考えて選挙サポーターに応募した。今回の活動や講義を通して学んだことを活かして次はしっかりと考えて投票したい」と話している。