埼玉県は、今年4月1日から自転車利用者に対して、自転車損害保険への加入を義務化する。県は、マナーの向上や交通事故が起こった際の被害者救済と加害者の経済的負担の軽減を図るため、自転車保険の加入に努めることを規定した「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」を平成24年に施行。が、近年は自転車事故による高額賠償請求事例が散見されることから、同条例を一部改正し、損害保険の加入を自転車利用者に義務付けた。

 今年4月1日に施行される一部改正の埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例は、自転車事故に係る被害者の救済に資するため、自転車利用者等に対して自転車損害保険への加入を義務付けたのが主。

 それによると、自転車利用者(利用者が未成年の場合は保護者)、事業活動に自転車を利用する事業者、自転車の貸付業者の3者に自転車損害保険等への加入の義務付けを、学校については自転車で通学する児童・生徒が自転車損害保険等へ加入しているか、その確認に努めることを規定した。

 自転車の安全な利用に関して、県、県民、自転車利用者、事業者、関係団体の責務を明らかにし、施策の基本事項を定めた同条例は、平成24年4月1日に施行。

 条例では、自転車利用者の交通ルールの徹底とマナーの向上を図るとともに、交通事故が起こった場合の被害者の救済と加害者の経済的負担の軽減を図るため、自転車利用者に対し、自転車保険の加入に努めることとしていた。

 しかし近年、自転車事故による高額賠償請求事例が全国各地で散見されるなど自転車の事故に対する社会的な責任の重みが増してきていることを受け、県は同条例を改正し、自転車利用者等の自転車損害保険の加入義務化及び学校等における保険加入確認の努力義務を盛り込んだ。

 県によると、自転車事故による高額賠償事例としては、平成25年7月に9521万円の支払いを命じた神戸地方裁判所の判例があるという。

 自転車損害保険加入の義務付けについては、埼玉県民だけでなく、県外の人も対象。埼玉県内で自転車を利用する時は条例の適用を受けるためで、埼玉県民と同様、保険に加入しなければならない。

 飯能市内の名栗や原市場方面などの幹線道路では、他県からの愛好家たちがスポーツタイプの自転車で走行する光景が連日のように見られるが、条例ではこういった人たちも対象となる。

 ただ、自転車保険に加入しない場合の罰則規定については見送られた。これは、「自転車事故を補償する保険には自動車保険や火災保険、傷害保険の特約で付帯する保険等、加入者が本人ではなく家族が契約しているものなど、加入者それぞれの保険加入を証明することが困難なため」だ。

 自転車利用者等への保険加入を義務付けているのは、兵庫県、大阪府、滋賀県、鹿児島県の4府県。