ムーミン世界の入口に 飯能駅内装リニューアルへ

内装のリニューアルを行うことが決まった飯能駅

 飯能駅がムーミンの世界の入口に―。西武鉄道(本社・所沢市、若林久社長)は5日、ムーミンのテーマパーク「メッツァ」の開業が予定されるなど、自然あふれる飯能の玄関口・西武池袋線飯能駅の駅舎内装リニューアルを発表した。

 デザインは、ムーミンの物語を生んだ森と湖の世界を彷彿とさせる「本物の北欧デザイン」。ムーミンの物語を紡ぎ出した作家トーベ・ヤンソンの故国フィンランド独立100周年記念事業として、デザインは同国内のデザイナーを対象に公募する。

 飯能は、森林の面積が市域のおよそ4分の3に達し、入間川、高麗川などのきれいな水に恵まれている。

 この豊かな自然を活かして、ムーミン童話をモチーフに、ムーミン屋敷などが点在する「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園(阿須)」が、平成記念子供の森公園として平成9年7月に開園。宮沢湖畔には、ムーミンのテーマパーク「メッツァ」の整備計画が進んでおり、30年秋には、北欧のライフスタイルを体験できる「メッツァビレッジ」が、31年春にムーミンの世界をテーマにした「ムーミンバレーパーク」がオープン予定。

 飯能は、ムーミンと関わりの深い森と清流のまちという認識が広く浸透しつつある。

 また、豊かな自然に恵まれながら、都心から近く、アニメ「ヤマノススメ」などの影響もあり、手軽に登山、ハイキング、キャンプ、森林浴などが楽しめる地域として近年人気が高まり、エコツーリズムなどにも多くの人が参加し、ツーデーマーチも年々盛況になっている。

 飯能駅は、特急で池袋駅から40分程度しか掛からない、森と清流のまち飯能の玄関口。横浜などからの直通電車も運行されるようになり、土日祝日には、同駅構内は、ハイカーや川遊びなどに訪れる家族連れで込み合うほど。

 同社では、飯能駅を観光拠点として位置づけ、飯能など周辺地域を訪れる観光客などの期待感・高揚感を高めるとともに、地元・飯能市民などにも親しみが持てる施設にするため、市民の玄関口を自然あふれる飯能にふさわしく、ムーミン世界の入口として同駅の内装をリニューアルする。

 駅施設には、ホーム、改札口付近、南北入口などがあるが、どこをどの範囲内まで内装を変更するかなど詳細は、今後のデザインコンペも踏まえながら検討される。

 内装デザインのコンセプトは、森と清流に恵まれた飯能の自然と歴史、文化との親和性を大切にしながら、より本物の北欧が感じられるものにするため、フィンランド大使館商務部の共催を得て同国独立100周年記念事業として、同国内でフィンランドのデザイナーを対象にコンペ形式で行われる。コンペは、今月から今年末まで実施され、駅舎内装工事終了は、31年3月が予定され、メッツァのグランドオープンと同時期になる。

 飯能駅は、大正4年4月開業。南口に住宅団地「美杉台」が街開きした平成元年、橋上駅舎化され南口開設。同4年に、南北自由通路の通行が可能になり、西武飯能ステーションビルがオープンし、概ね現在の姿になり、今回の内装変更は、それ以来の大幅リニューアルになる。同駅の1日平均の乗降客数は3万1860人(平成28年度)。