市の花へ追加指定 初秋の曼珠沙華まつり

巾着田の群生で知られるマンジュシャゲ。10月1日には市の花に追加指定される

 初秋に500万本のマンジュシャゲが開花する日高市の巾着田曼珠沙華公園で9月17日から10月2日まで、「巾着田曼珠沙華まつり」(日高市観光協会・同市商工会主催)が開催される。

 市は、マンジュシャゲが同市をイメージする花として市民や観光客の間で定着していることから、現在の市の花「ハギ」に加えて追加指定することを決め、「市民の日」となるまつり期間中の10月1日に告示を行う。

 まつり期間中、会場では物産品やご当地グルメの販売、ステージイベントのほか、栗フェスティバル、コスモスまつりなどが行われる。

 巾着田曼珠沙華公園は日本有数のマンジュシャゲ群生地として知られ、その数は年々増加し現在は約500万本と推定。そこで市は、全国的に日高市のイメージとして定着しているマンジュシャゲを市の花に指定することについて、検討を進めてきた。

 現在の市の花「ハギ」・木「モクセイ」・鳥「カワセミ」は、昭和55年の町制25周年の際、市民の投票により制定。ハギは当時、市内に多く自生し高萩の地名とのゆかりもあり、多くの投票があったという。

 しかしその後、平成に入ってから巾着田でマンジュシャゲの群生が見られるようになると市内外から関心を集め、多くの観光客が訪れるように。

 現在では500万本の群生が見られ、市を代表する観光資源となったことから、「マンジュシャゲを市の花にしてはどうか」との話題が市議会などでも取り上げられるようになった。

 その後市は、平成26年に第5次総合計画後期基本計画の策定に向け市民2000人を対象に実施した「まちづくりのための市民アンケート」の中で、市の花をマンジュシャゲにすることに対する意向を調査。

 「ハギからマンジュシャゲへ変更してもよい」「ハギとマンジュシャゲの両方があってよい」との回答が約7割を占めたことから、これらの意見をもとに検討。

 従来のハギについても市民の愛着が高いことから、市の花を変更するのではなく、マンジュシャゲを追加指定することを決めた。

 また、市は今年度、同公園の面積を群生地を中心とした従来の約5・5ヘクタールから、駐車場スペースや民有地を含む12・4ヘクタールに拡大。

 巾着田管理協議会が自然環境保全協力金として徴収していた有料駐車場利用料を市が徴収することができるよう、都市公園条例の改正を行った。

 マンジュシャゲは夜間の気温が下がることによって花芽を伸ばし、発芽から1週間程度で開花する。

 平成26年、27年は比較的開花が早く、9月の彼岸を中心にピークを迎え9月中には花を閉じたが、過去には開花が遅れ10月に入ってから最盛期を迎えたケースもある。

 開花期間中は入場料300円(中学生以下無料)を徴収しており、昨年は有料入場期間となった9月15日から同27日までの13日間に13万8170人が来場した。今年も開花状況に合わせて有料期間が設定される。

 9月22、24、25日の3日間は渋滞緩和を目的とした無料シャトルバスを日高市役所駐車場~高麗神社駐車場~巾着田をパーク&ライド方式で運行する。

 まつり会場では飲食店・物産販売店が出店するほか、市民グループなどが郷土芸能などを披露するステージイベントが休日を中心に行われ、コスモスの摘み取りなどが体験できるコスモスまつりも開催される。

 9月25日には市の特産品となるクリをPRする「ひだか栗フェスティバル」が行われ、クリを使った商品を扱う事業所が出店しバラエティに富んだ商品を販売するほか、スタンプラリー、クイズ大会、栗むき実演会、栗拾い大会などのイベントを計画している。