日高市議会一般質問 災害時の雨水活用 池田議員

 「雨水を貯めておくことで、災害時には初期消火や生活用水などの貴重な水源となる」として、日高市議会一般質問で池田和子議員(公明)は、市内公共施設の雨水貯留施設設置の有無や今後の方針、住宅に貯留施設を設置する場合の助成制度の導入について質した。

 答弁で金子昭総務部長は、現在、貯留施設を設置した公共施設は無いが、新設時に検討する必要があるとし、助成制度については先進自治体を参考に研究すると述べた。

 「熊本地震の被災地ではライフラインや交通網の復旧が急ピッチで進められているが、特に水の問題は深刻で、長期間の断水に加え水道が復旧しても濁っていて飲めないという問題が被災者を悩ませた」。

 こう切り出した池田議員は雨水の活用について「雨水は速やかに捨てる物とされてきたが、貯めて使えば有効資源となる。日常生活では打ち水や庭木への散水、洗車やトイレの洗浄水などに使用することで水道水を節約できる。災害時や水道管の破裂などによって水道が使えなくなるなどの非常時には、初期消火や生活用水などの貴重な水源となるほか、煮沸やろ過をすれば緊急用の飲料水にもなる」と述べた。

 また、平成26年5月に施行された雨水利用推進法を挙げ、「これは雨水を貴重な資源として有効利用することを促し、近年の気候変動による集中豪雨を踏まえて、下水道や河川の洪水を抑えることを目指しており、雨水の流出の抑制、資源の有効利用の一環として、雨水貯留施設の設置が進められている。これまで雨水の利用については、自治体それぞれの取り組みに任せられていたが、この法律では、政府が基本方針を策定するように求め、雨水利用を国策として位置付けている。国などが建築物を整備する時には、雨水利用施設の設置目標を定めなければならない。地方公共団体については努力義務となっている」と解説。

 雨水利用の必要性についての見解、公共施設の雨水貯留施設設置の現状と今後の取り組み、貯留タンクを新設する家庭などに貯留施設を設置する場合の助成制度導入の見解を質した。

 答弁で金子総務部長は、雨水の活用について「施設や住宅内に降った雨水を一時的に貯留するため、水洗便所、散水などの用途に使用することができ、災害時の断水などの際も初期消火やトイレの水などとしての利用が可能と考えている」。

 公共施設の貯留施設については「現在、雨水を貯留施設に貯めて有効的に活用している公共施設は無い。新たに公共施設を建設する際には地域の特性や避難所としての利用の可能性等を勘案し、設置を検討する必要があると考えている」と述べた。

 住宅へ設置する際の助成制度については、「現在、県内では18自治体で雨水貯留タンク設置工事に対し限度額を設けて補助金を出している。雨水の有効利用は災害時に限らず水資源の有効利用、環境対策、河川対策など多方面の効果を持っているので、関係と連携の上、先進的な自治体を参考に研究を進めて参りたい」と答えた。