ジオラマや墨書土器など 古代高麗郡展

市教委が制作した古代高麗郡集落ジオラマ

 高麗郡建郡当時の様子がわかるジオラマや市内遺跡からの出土品を並べた「古代高麗郡展」が12日まで、日高市文化体育館ひだかアリーナ1階ギャラリーで開かれている。

 日高市教育委員会が制作した「古代高麗郡集落ジオラマ」は、発掘調査の成果を基に建郡当時の高麗郡の集落分布図をジオラマで表し、映像を交えて高麗郡の様子を紹介している。

 展示では、武蔵高萩駅北側に所在する拾石(じゅっこく)遺跡から出土し、高麗郡の役所にあたる郡家(ぐうけ)の施設を示す「厨(くりや)」の文字が書かれた墨書(ぼくしょ)土器や、周辺の王神・堀ノ内遺跡を含め、役人のベルトの飾りとなる丸鞆(まるとも)、巡方(じゅんぽう)、鳥形硯、川越市境に所在する光山遺跡から出土した馬具などの出土品を展示し、役人の存在と郡家の手掛かりについて探っている。

 また、女影廃寺、大寺廃寺、高岡廃寺の3つの寺院の造営も古代高麗郡の特徴に挙げられることから、軒丸瓦、軒平瓦や硯、「寺」の墨書土器などから古代仏教について紹介している。

 市教委文化財担当は「人々の暮らし、役人の姿、仏教の広がり、往来を支える道の跡など、市内の遺跡は当時の高麗郡のさまざまな姿を残している。発掘調査で分かってきた高麗郡の姿をぜひご覧下さい」と呼びかけている。