社員一丸で保安確保 西武ガスが表彰受賞

表彰状を手にする加藤社長(右)と柿沼部長

 都市ガスの保安確保のために尽力したとして、飯能市双柳の西武ガス(加藤正幸社長)が、経済産業省関東東北産業保安監督部長表彰を受賞した。

 同表彰は、ガス事業の保安確保を推進することを目的に、都市ガスの保安確保のために尽力し、特に功労のあった個人や団体を表彰するもの。昭和53年12月に創設し、翌54年から毎年表彰が行われている。

 今回、団体の部では埼玉県内で同社1社のみの受賞となった。加藤社長は「ガスの供給を行っている以上、これからも絶対に事故を起こさないよう、積極的に保安確保を実施していきたい」と話している。

 土の中に埋められたガス管(亜鉛メッキ鋼管)は、一般的に年を経るとともに腐食が進行しており、経済産業省では古くなったガス管は早めの取り換えを推奨している。

 取り換え対象となっているガス管は30年近く前に入れられたもので、交換目安の20年を過ぎており、土質にもよるが劣化が進み、ひとたび異常が発生すれば、快適な暮らしを送ることが出来ない。

 道路に埋まっている本管部分はガス事業者の資産であるため、古くなったところは腐食・地震に強いガス管の入れ替えを積極的に実施してきたが、自宅敷地内の部分は利用者の資産になるため、同意を得て有償で取り換えを行わなければならない。

 同社は、主催するイベントや定期的に行う保安巡回でパンフレットを配布するなど、全社員が一丸となって保安の確保のための協力を呼び掛けてきた。

 その結果、平成15年度末時点で対象となる古いガス管は2115戸だったが、同25年度末には597戸と取り換えが進み、削減率は71・8%と高い数字を記録。その後、27年度末では477戸まで減少した。

 表彰式は東京都千代田区のKKRホテル東京で行われ、加藤社長と柿沼和男工務部長が出席。関東東北産業保安監督部の桑山広司部長から表彰状を受け取った。

 保安の責任者である柿沼部長は「ガスの安定供給と保安の確保というのは常に意識して実施してきた。ガス管の交換は有償となるので、交渉に苦労した。今回、表彰状を頂いたがまだゼロにはなっておらず、進行中。引き続きゼロを目指して活動を展開していく」。

 加藤社長は「何としても事故を起こさないように、経年劣化している所には何度も訪問するなど、一生懸命取り組んできた結果が今回の表彰に繋がった。今後もガスの供給を行っている以上、絶対に事故を起こさないよう、積極的に保安の確保を行っていきたい」と話している。