橋梁にも超高齢化の波 定期点検で「寿命」延ばす

前ヶ貫と落合地区を結ぶ成木川に架かる清川橋(架橋58年経過)。点検は平成29年

 飯能市は、市内に架かる橋梁について計画的に維持管理するプラン「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、平成27年から、対象橋の定期点検等を行っている。架設から45年以上が経過している橋梁が対象。

 橋の損傷が進んだ後に補修する従来の方法ではなく、計画的に修繕を行って橋梁の寿命を延ばし、大規模修繕といった将来的な財政負担の低減を図るのが狙い。計画中の橋については、点検とともに路盤の舗装打ち換えや塗装実施時期など年次計画が定められている。

 飯能市が管理する市道上に架かる橋梁は429。このうち、▽架設後45年以上経過▽橋長15メートル以上▽市が定めた緊急輸送道路上にある──といった3点のいずれかに該当する111橋について、市は点検の優先度が高い橋と位置づけ、橋梁長寿命化修繕計画の対象橋とした。

 これまでの橋梁の修繕については、損傷等が生じた時に補修する「対症療法型」だったが、それを定期的な点検、補修を繰り返す「予防保全型」へと転換した。

 橋梁長寿命化修繕計画は予防保全として、それぞれの橋梁ごとに路盤の舗装の打ち換えや塗装の実施、点検時期を明示。

 定期点検を行うことで、鉄筋露出、欄干の変形、舗装目地材の欠落などといった損傷を発見でき、こうした損傷は小さいうちに補修を行うので、従来の損傷が大きくなってから実施する補修よりも費用が掛からないといったメリットがある。

 同計画では、対象111橋について、今後50年間の事業費を比較。それによると、従来の対症療法型の場合の事業費は51億円で、予防保全型の長寿命化修繕計画を実施すると35億円となり、約16億円の縮減が見込まれるとした。

 同計画に基づき、平成28年に橋梁点検が行われたのは、▽みどり橋▽新大橋▽虎秀橋▽白子橋など。同29年は、▽名栗川橋▽清川橋▽矢久橋▽飯能大橋などが対象。