新茶シーズン到来 手摘みなど体験

備前屋の茶園で行われた手摘み作業

 新茶の季節を迎え、日高市高萩の狭山茶専門店「備前屋」(清水敬一郎社長)の茶園で手作業による茶摘みが行われた。

 大型連休中は体験参加者も受け入れ、参加者が茶摘みや茶葉の香りを引き出す「萎凋(いちょう)」と呼ばれる工程などを体験した。

 同店は自家栽培の手摘み専用茶園「野木園」で、緑茶の代表品種として知られる「やぶきた」をはじめ、埼玉品種の「ゆめわかば」「ふくみどり」などを栽培。品種の異なる茶葉を調合して味と香りのバランスを整える「合組(ごうぐみ)」を経て上級茶に仕上げ、店頭に並べている。

 また、茶葉は紫外線や乾燥、高温などのストレスにさらされ、しおれていく過程で萎凋香と呼ばれる強い香気を放つことから、摘み取った茶葉を屋外のゴザの上に広げて水分を取り除いていく萎凋工程にこだわり、奥深い風味を引き出している。

 今年の手摘みは連休前に開始。清水社長は「4月に降雨が多かったことから、茶葉は水分を多く含み、良好な状態。萎凋の効果がより出るのではないか」と期待する。

 連休中、体験に参加した小平市の河内誠子さん(41)は、茶園でベテランの摘み子と一緒に新芽を丁寧に摘み取った後、店で萎凋工程を体験。「緑茶が好きで、どうやって作られているのかを知りたいと思い参加した。実際に新芽に触れることができて、どんなお茶に仕上がるのかとても楽しみ」と笑顔を見せた。

 手摘み茶葉を使った新茶は「富貴昔(ふきむかし)」

 90グラム3000円、「松籟(しょうらい)」90グラム2500円(いずれも税別)で販売中。問い合わせは、備前屋989・2001へ。