コロナ禍での避難所開設 感染症対策など手順を確認

段ボールパーテーションの組み立てを実践

 コロナ禍での災害発生に備え、日高市は18日、市職員を対象とした「新型コロナウイルス感染症等に対応した避難所開設説明会」を高麗川公民館で実施した。

 災害時に避難所運営を担当する職員が集まり、新型コロナ感染拡大防止に努めながら避難者を受け入れる手順や、飛沫防止やプライバシー確保に役立つ段ボール製パーテーションの組み立てなどを実践した。

 日高市では大雨特別警報が発令された昨年10月の台風19号の際、8か所の避難所が開設され、最多時で608人が避難した。

 全国的に災害が頻発する中、新型コロナ感染拡大を受け、災害時の避難所での感染拡大防止の必要性が求められることから、感染症対策を盛り込んだ避難所開設の手順をまとめた。

 感染拡大予防に伴う市の「避難所開設フローチャート」によると、避難所開設の際には、施設内の窓ガラス等の破損の有無など施設内の安全、電気・水道・ガス等のライフラインの利用可否、毛布・水・食料等の備蓄品などを確認。

 受付担当者の感染予防策としてマスク、フェイスシールド、手袋等を着用した上で避難者の受け入れを開始する。

 避難者に対しては、検温を行い、問診票・避難者名簿への記入を要請。問診表では、発熱、風邪に似た症状、倦怠感、味覚・嗅覚異常、渡航歴、感染者との接触などの有無を確認し、1項目でも該当する場合には保健相談センター(生涯学習センター)への移動を促し、移動が困難な場合には別室を確保するなどして対応するとした。

 避難所開設説明会に参加した職員は、防災担当の危機管理課職員から説明を受けた後、受付担当役と避難者役に分かれて、受付手順を確認。避難者役の手指消毒、検温を行った後、問診票などへの記入を促したほか、「発熱がある」「熱はないが倦怠感がある」「ペットを連れてきた」といったケースに対応。

 感染の疑いのある避難者の誘導をはじめ、ペットは避難所に入れず屋外などで面倒を見るよう促すなどの確認が行われた。

 続いて段ボールパーテーションの組み立てを行い、専用キットを使って、2枚の段ボール板を組み合わせて支柱を作り、支柱の間に壁板を連結して間仕切りを完成させた。

 段ボールパーテーションは、6公民館(高麗、高麗川、高麗川南、高萩、高萩北、武蔵台)、総合福祉センター高麗の郷、ひだかアリーナ、生涯学習センターに配備。

 市は、この段ボールパーテーションや特殊強化段ボールを用いたベッドや簡易トイレなどの製造を行う市内事業者のモスト技研と災害協定を結んでおり、市からの要請があった場合には避難所への段ボール製家具の優先提供が行われる。

 市危機管理課は、「新型コロナ感染症が収束を迎えない中、台風シーズンを迎え、昨年のような避難所を開設しなければならない状況もあり得る。感染拡大予防をしながらスムースな避難所開設ができるよう努めたい」としている。