うどんを食べて筏流し回顧 扱い店舗、市内で6店に 筏うどん

扱い店舗で客に出されている筏うどん

 江戸時代中頃をピークに、入間川や高麗川の流域で生産した木材を筏(いかだ)に組んで江戸へ流した西川材の歴史と、奥武蔵地方の名物でもあるうどんを結びつけたユニークな「筏うどん」が、飯能市内のゴルフ場や店舗の一部でメニューとして提供され、人気を博している。

 ここで新たに取り扱う店舗が3店増え、市内では合計で6店舗(施設)となった。

 筏うどんは、西川材のヒノキで作ったミニチュアの筏を、川に見立てた飯能焼きの陶器に置き、そこにうどんを盛りつけたもの。副食として天ぷらなども添えられる。

 ミニチュアの筏の上には、筏を操作する筏師をかたどった板状の人形も置かれ、皿には「はんのう」の文字が記されている。筏を操るための筏師が持っている竿は、うどんを食べる際の箸として使える。

 西川材のPRと利用促進を目的に毎年開催されている「西川材フェアー」の実行委員会(本橋勝会長、叶木材代表取締役)が「飯能に新しい名物を」と企画し、試行錯誤を重ね、今年完成させた。

 完成直後から筏うどんをメニュー提供しているのは、飯能グリーンカントリークラブ(久須美)のレストラン、飯能銀座商店街の長寿庵(仲町)、飯能河原近くのタケマツ(久下)の3店舗。

 ここで、新たにホテルヘリテイジ飯能5階の和食処じゃぽにか(仲町)、飯能河原右岸に面した櫟庵(大河原)、名栗湖畔のレイクサイドテラス名栗湖(下名栗)の3店舗が加わり、市内で筏うどんを扱う店舗は6店舗へと倍増した。

 ただ、レイクサイドテラス名栗湖については、来年1月9日からの販売開始とした。

 西川材フェアー実行委員会事務局の飯能商工会議所によると、筏うどんの定義は①器が飯能焼き②器の上に西川材製(ヒノキ)で作った筏をのせ、その上にうどんをのせる③天ぷらなどの副食をつける④地域資源で西川材並びに筏流しの歴史を紹介したチラシを配るの4点。

 このうどんを食べた後、地元の窯元に特別注文して焼いてもらった美しい仕上がりの器にぞっこん惚れ込み、「売ってくれないか」と店側に相談を持ちかける客もいるという。

 筏うどんについての問い合わせは、西川材フェアー実行委員会事務局飯能商工会議所(974・3111)へ。