飯能高校 18歳成年伴い、行政書士招き法教育 

高校2年生対象の行政書士による法教育出張授業

 成年年齢引下げに直面する高校2年生に対し、行政書士が講師となって具体的な事例を通じて「法」を考える授業が3月中に飯能高校で行われた。

 授業は、埼玉県と東京都の行政書士会が合同で行ったもので、行政書士会では以前から社会貢献活動の一環として、市民への法律知識の普及に取り組んできた。近年では、学校などを通じた未成年者への法教育についても力を入れている。

 飯能市では、令和元年に市立図書館が埼玉・東京の各行政書士会との共催による法務セミナーを一般向けに開催した実績があり、この時に仲介をした飯能高校図書館司書・湯川康宏さんが今回は高校生を対象にと要望。学校図書館を窓口として出張授業の開催について協議を行い、2年生の全生徒を対象に実施することとなった。

 当日は、各教室(6クラス・全226人)で出張授業を実施。このうち、1組では埼玉県行政書士会に所属する山本修史さんが生徒たちへ、行政書士の仕事内容を紹介。

 続いて、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることの長所と短所について、親の了解なしでも契約ができる、18歳で結婚する場合も同意不要、職業を完全に自分で決められるという長所がある一方で、契約を取り消せなくなる、消費者トラブルに巻き込まれる可能性、自己責任となるなどの短所があると説明した。

 様々なトラブルが予想されることから、「正しい知識を身につけて被害を防ごう。書類を読む習慣をつけてほしい。トラブルに遭った時に、知ったかぶりをしたり、恥ずかしがらずに、素直にわかりません、どうしたらいいでしょうと尋ねられるようにしてほしい。契約や買い物で困ったな、と思ったら消費者ホットライン188に電話すると相談に乗ってもらえる」などとアドバイスした。

 さらに、「成年年齢の引き下げは、まさに若者が日本を作っていく中心であることを意味している。法律を作るのは国会の仕事。その議員を選ぶのは国民のうち選挙権を持つ人々。日本は若者による国づくりに期待しているのだから、せっかく得た選挙権と18歳成年のチャンスを生かしてより良い国づくりに参画しよう」と呼びかけた。