民間から運営事業者公募 子どもの森公園の飲食店

飲食店の完成模型

 飯能市は、同市阿須の「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」内で建築している飲食店の運営事業者を、1215日までの期間で公募している。受付後、市はどのような方針をもとに店舗運営していくかといった提案を業者から求め、審査・ヒアリングを経て、平成30年2月上旬までに運営事業者を選定する。飲食店のオープン時期は、市の飲食店建築工事が終了する同年3月30日以降。

 現在、同公園ムーミン屋敷東側のアケボノスギ植林地で建設中の新施設、飲食店は床面積約99平方メートルの木造2階建て。設計は、園内の特徴的な建物をデザインした都内の村山建築設計事務所が担当した。

 市のまちづくりガイドラインである「第5次市総合振興計画」に基づき、都市回廊空間(子どもの森公園、宮沢湖のメッツァ、飯能河原の3地点を結ぶ回遊ルート)の一拠点としてブラッシュアップを図り、公園の魅力をさらに高めることを目的に飲食店は事業化。これまで、園利用者から「園内で簡単な食事がしたい」「お土産がほしい」などといった声もあった。

 飲食店に設けられる機能は、北欧を感じさせる軽飲食の提供、物品の販売、トーベ・ヤンソンに関連する作品などの展示、公園利用者用の休憩所・トイレ機能。1階に厨房・売店・休憩・トイレスペース、2階に休憩スペースが配置される。

 飲食店の運営事業者公募要領では、提供する軽飲食については、公園のコンセプトを踏まえたメニュー構成とし、アルコールの提供は禁止。軽飲食の提供にあたっては、店舗内での飲食に留まらず、公園内のベンチなども含めた事業展開を想定していることから、テイクアウトによるサービスを基本と定めた。

 また、1・2階の休憩スペースについては、子ども、子育て世代を対象とした公園内の施設のため、子育て支援という趣旨から、事業者からカフェサービスの提供を受けない公園利用者も利用できるとした。同様に店舗内トイレについても公園利用者に開放される。

 運営しようとする事業者が市に提案するのは、厨房・物品販売のカフェスペースでのサービス内容、レイアウト、内装、子育て支援につながるサービス(ミルク用お湯の提供)など。

 提案にあたっての基本的な考え方として、市は▽公園の雰囲気を意識したサービス・内装▽休憩スペースは誰もが利用できる無料休憩施設▽子育て支援▽売り上げの一部を活用した公園内イベント等による公園の魅力向上事業の提案▽市内経済への波及、市内からの従業員雇用▽環境への配慮などを挙げている。

 周辺園地を含めた、あけぼの子どもの森公園でテーブルやイスの設置、ワゴン販売、キッチンカー販売なども行えるが、その場合は別途公園内行為許可申請を行い、許可を受ける必要がある。

 面積約7・57ヘクタールのあけぼの子どもの森公園の来園者数は、平成28年度で約22万人。平成9年度のオープンから右肩上がりで増え、累計入園者数は約298万人。近年は、海外からの来園者も目立つ。

 都市公園法では、都市公園の管理については、国または地方公共団体が行うとされている。が、公園管理者ら設置管理することが不適当、または困難と認められる場合。さらに、公園管理者以外のものが管理することが公園の増進に資する時は、公園管理者以外(民間含む)に公園施設の設置管理を行わせることができると規定されている。市は今回、同制度を活用して、民間事業者に飲食店の運営を委ねることにした。

 あけぼの子どもの森公園を対象にしたブラッシュアップ事業としては、飲食店建設のほかにメッツァとの連携、開園時間の延長、施設のライトアップ、夜間イベントの拡充などが検討されている。