東飯能駅不審物 状況まとめ【8】

3つ目の不審物が見つかった現場周辺で調査を行う署員

 25日午前7時24分ごろ、JR八高線の東飯能駅(飯能市栄町)から飯能署に、手榴弾のような不審物が届けられたとの110番通報があり、JR八高線と西武池袋線が乗り入れている東飯能駅は全面封鎖された。また、それから3時間くらい経った10時20分頃、同駅西口から100メートルくらい離れた交差点近くの植え込みに、東飯能駅で発見された物とは形状の違う不審物があるのを、付近を警戒中だった警察官が発見した。

 同署の調べによると、東飯能駅で見つかった不審物は、70歳代の男性が、「植え込みに落ちていた」と言いながら、むき出しのような状態で同駅の事務室に持ち込んだ。男性はそのまま立ち去ったという。不審物は2つあり、茶色の筒状で長さ30センチくらい、金属製の本体に木製の持ち手が付いていて、一見して手榴弾のように見えるものだった。また、同駅西口近くの交差点で見つかった不審物は、パイナップル形状の手榴弾のように見えるものだった。

 同8時59分ごろ、県警機動隊の爆発物処理班が到着。午前10時過ぎ、万が一に備え、不審物は同駅から南東に約4キロ離れた同市阿須の阿須運動公園の駐車場に持ち込まれた。

 いったん、同駅周辺の規制は解除されたが、パイナップル型の不審物発見を受け、改めて付近に規制線が張られ、正午過ぎまで掛かって撤去された。

 阿須運動公園には、危機管理室を中心に市の職員30人も応援に駆け付け、市民の安全を考えた対策が取られ、厳戒態勢の中、同日午後2時時点で、不審物の確認と処理作業が進められている。

午前8時過ぎからJR八高線は、東京の箱根ヶ崎駅―高麗川駅間で、合計10本が区間運休、西武線は飯能駅―西武秩父駅間で26本運休し、合計で通勤通学客5000人に影響が出た。

 万が一に備え、同駅は、全面封鎖された。駅入り口にシャッターが下ろされ、その前には一時通勤通学客100人以上があふれ、事態が飲みこめない中、不安そうに警察官などの説明に耳を傾けていた。

 午前8時50分頃から、不審物処理の際の万が一に備えて、小雨降る中、駅入り口階段前で電車運行の再開を待っていた通勤通学客も、駅周辺からの退去を求められ、駅の東西口のロータリーも閉鎖され、駅から100メートルほど西に離れた、同市の市街地を通る大動脈・国道299号線の交差点付近から、車の進入が規制された。

 この日、西武線の東吾野駅で仕事があり、同駅を訪れた同市双柳在住の女性(56)は、「いつもより一本遅い8時24分の電車に乗ろうと思い、改札を通ろうとしたら、いきなり通過できなくなりました。かれこれ1時間近く待っていますが、車には乗れないし、今日は休まざるを得ないかもしれません」と、語り、また、笠幡駅まで通うという飯能市八幡町在住の高校生(17)は、「8時くらいから待っています。今日、高校で日本史の試験があり、自信はあるんですが、、、」と、不安そうだった。  

 同市飯能に住む男性会社員(54)も、「西川越駅まで通っているのですが、8時42分の八高線に乗ろうと思い、駅まで来ましたが、どういう状態なのか、分かりません」と語り、試案投げ首だった。

 JR八高線は、午前10時21分から、西武線は、同10時14分の飯能駅行きから運転を再開したが、各駅停車の電車を中心に午前中はダイヤが乱れた。