埼玉医大に東館完成 関係者招き竣工式

0208埼玉医大

[県道沿いに完成した東館]

 埼玉医科大学病院(毛呂山町)が県道飯能寄居線沿いに建設を進めていた新外来棟「東館」が完成し、6日、県や近隣自治体関係者を招いて竣工式典が行われた。東館は地下1階・地上7階建てで、延床面積は1万244平方メートル。

 あらゆる症状や疾患に対応する総合診療内科、緊急度の高い患者に対応する急患センターをはじめ、プラチナ(高齢者総合)外来、女性ヘルスケア外来、難病センター、内視鏡センター、腎センター、こどもセンター、内分泌糖尿病内科、呼吸器内科・アレルギーセンターなどを備え、プライバシーに配慮した女性外来や高齢者の診断治療が1か所で完結するワンストップ外来などを特長としている。開院は3月7日。

 地上と直結するグラウンドフロアには、同病院の入口としての機能を有し、疾患にとらわれず総合的に診察を行う総合心療内科、緊急度の高い患者に対応する急患センターERを配置。

 1階には、小児科と小児外科の診療外来となるこどもセンター、糖尿病・高脂血症・高血圧をはじめとした生活習慣病の診療を行う内分泌糖尿病内科、呼吸器疾患の専門的な高度治療を提供する呼吸器内科、アレルギー疾患を総合的に診療するアレルギーセンターを設けた。

 2階は、眼のあらゆる病気に対応するアイセンター、女性の健康増進のためのプライバシーに配慮した女性ヘルスケア外来、認知症や多くの疾患を有する高齢者を対象に医師や看護師、薬剤師、臨床心理士などがチームとして包括診療を行うプラチナ(高齢者総合)外来、特定機能病院として高度で専門的な医療を提供する難病センターで構成。

 3階は内視鏡検査・治療の専門フロアとなる内視鏡センター、4階は陰圧室4床とHCU(高度治療室)8床を備えた43床の総合心療内科病棟、5階は血液透析・血液濾過透析など血液浄化療法に特化した腎センター血液浄化ユニット、6階はがんの化学療法、免疫疾患に対する生物学的製剤による最新治療を提供する東館治療センターとなっている。

 また、東館北側の入口から入り、エスカレーターで1階へ上がると、本館を抜け西館まで直通する通称「ザ・メモリアルメインロード」が6月に完成予定。これまで県道から階段や坂を上って本館外来受付に行く必要があったが、開通後はストレスなしに各館を行き来できるようになる。

 竣工式典には県や近隣自治体から行政・医療関係者ら500人が出席し、記念式典や内覧会、プレゼンテーション、祝賀会が行われた。式典では丸木清之理事長、塩川修副知事、井上健次毛呂町長らによるテープカットが行われた。

 埼玉医科大学病院は高度医療の提供、高度医療技術の開発・評価・教育・研修を実施する能力のある病院として厚生労働省より認可された特定機能病院。質の高い医療と教育研究を提供する総合病院として患者中心の医療を目指し、日高市にある国際医療センターと連携し地域医療の向上に機能を発揮している。

 ▽丸木清之理事長の話

 当病院は埼玉医科大学グループの本院であり、厚生労働省より全国84か所に限って認可された特定機能病院。「High Quality Teaching General Hospital(質の高い医療と教育研究を提供する総合病院)」として教育の中心を担うと共に、特定機能病院としての役割に加え、母体となる毛呂病院の総合病院としての役割を引き継ぎ、地域医療の中心、かかりつけ医的な機能も成している。

 従来の地域医療、整形外科、眼科、糖尿病内科などの高齢者を中心とした医療、総合内科を中核とした総合診療、急患センターERや救急外科、難病医療、精神医療などが大学病院の大きな特徴であり診療の柱。

 がん、心臓病診療、脳卒中を含む重症の救急に特化した国際医療センターが平成19年に開設されてからは、互いに機能を補完し、2つで1つのメディカルセンターという考え方で医師やスタッフが行き来しながら運営している。

 埼玉医科大学病院の特色ある医療の入口で、その象徴となるのが東館。建物が新しいだけではなく、21世紀の新たな医療のあり方を見据え、それに対応できる設備と診療スタイルを取り入れた。

 女性と男性のプライバシーに配慮した構造の内視鏡センター、重症な腎不全に対してもより安全で安心な診療が受けられる透析センター、女性特有の悩みを相談しやすくした女性ヘルスケアセンター、高齢者の様々な心身の悩みの相談、診察・治療を一か所で完結できるワンストップ機能を持つ高齢者の総合診療外来通称プラチナ外来などが特長。

 従来からの特徴である総合診療の外来と病棟、地域医療の最後の砦として断らない救急を追求するERなどを備えている。本館とは6月に全面開通する通称「ザ・メモリアルロード」でつながり、利便性も高くなる。

 私の高祖父・丸木清太郎が明治25年に毛呂病院を設立。当時より地域医療の充実や医療水準の向上が最も重要な課題の一つであり、昭和39年総合病院となり、それを母体に昭和47年に埼玉医科大学が設立され、同時に埼玉医科大学病院が開設した。

 毛呂病院時代より私心なく純粋に患者さんや地域、社会に役立つ質の高い仕事をするということを原点に大学や病院を運営してきている。

 そして現在、創立50周年に向け「Your Happiness Is Our Happiness(あなたの幸せが私たちの幸せ)」を合言葉に、医療と福祉が融合した理想郷を目指すべく取り組んでいる。

 教職員一堂、不撓不屈の精神で新しい時代のニーズや社会の要請に最大限応え、患者さん中心の医療を貫き、地域医療最後の砦としての責任と義務を果たし、地域医療の充実発展に貢献して参りたい。