交流2周年機に友好郷土交流 自治連東吾野と本牧根岸町内会

友好郷土交流締結式に臨んだ横浜からの参加者ら
友好郷土交流締結式に臨んだ横浜からの参加者ら

 飯能市の自治連最小支部と横浜港町の最大自治会が、大正・昭和時代に活躍した同じ彫刻家の作品をきっかけに交流を開始し、全国的に見ても珍しい住民自治組織同士の交流を誓い合う「友好郷土交流」を結ぶまでに至った。このほど、二つの地区の住民が出席、確認書の締結式が催された。

 この自治組織は、飯能市自治会連合会東吾野支部(町田千春支部長)と、横浜市中区本牧・根岸地区連合町内会(岩村和夫会長)。

 飯能市と中区は、広域的な鉄道ネットワークの起点と終点駅となった鉄道各社の相互直通運転開始から1周年を記念、一昨年3月に友好交流協定を締結。以来、民間、行政、企業間で交流を続けてきた。

 その過程で、東吾野地区行政センター敷地内にある「菅原道真公銅像」(高さ2・1メートル)の作者である彫刻家・長谷川塊記(はせがわかいき)(昭和48年死去、74歳)の作品「弘法大師木像」(高さ1・8メートル)が、中区本牧元町の横浜市八聖殿郷土資料館にも保管されていることが分かった。

 塊記の代表作ともいえる二つの彫刻が、偶然にも友好交流協定を交わした飯能市と中区に存在することを掴んだ東吾野支部は、防災関係の視察研修先に中区本牧元・根岸地区連合町内会を選定、昨年7月に出向いた。視察研修では、同地区に数多くある崖地の安全対策などを学ぶとともに、懇親も深めた。

 今回の友好郷土交流は、飯能市と中区との協定締結2周年を機に、これまでの市民交流を形として表したもの。連合町内会からは19人が訪れ、歓迎する地元住民が集まる下平戸自治会館で、大久保勝市長らに見守られて交流確認書にそれぞれの代表が署名した。

 締結式に先立ち、東吾野地区内の畑(10アール)で交流事業として、100キログラムのジャガイモを植え付けた。東吾野地区行政センターによると、連合町内会の一行は、1000キログラムのジャガイモの収穫が期待できる6月頃に東吾野を再訪する予定という。

 自治連東吾野支部は19自治会の集合体で全世帯数は710。一方、本牧根岸地区連合町内会は14町内会で7800世帯。

 電車の直通運転と彫刻で固い繋がりを構築した飯能の最小組織と中区最大組織。町田支部長(63)は「東吾野支部が民間交流のきっかけをつくったが、これが市内全域に広がれば」と話す。