ムーミンの力で地域に活力 ソフィア・ヤンソン氏も祝福

オープンを祝福したソフィア・ヤンソン氏(左)とペッカ・オルパナ駐日大使

 飯能市宮沢に16日にオープンした「ムーミンバレーパーク」は、初日から多くの来場者で賑わいを見せた。オープニングセレモニーでは、パークを運営するムーミン物語の渡邊基樹社長の挨拶に続いて、大久保勝飯能市長、ムーミンの原作者トーべ・ヤンソンの姪でムーミンキャラクターズ代表のソフィア・ヤンソン氏、駐日フィンランド大使のペッカ・オルパナ氏、上田清司知事、大塚拓衆議院議員が「エンマの劇場」のステージに立ち、開園を祝福した。

 大久保市長は「飯能市の歴史が変わる。フィンランドに次ぐ2番目のふるさととして、ムーミンに飯能に来て頂いた。ムーミンには人を応援する心、人を大事にする心がある。ムーミンの力でこの地域を明るく、楽しくし、人を思いやる心の聖地として、世界で一番の地域になるよう願っている」と声を響かせた。

 ヤンソン氏は「プロジェクトの始まりから今日まで6年。簡単な道のりではなかったが、ムーミンの力を借りてこのような素晴らしい成果をもたらすことができた。私はここに来ることができて大変嬉しい。私と同じように、皆さんがこのパークのポジティブな雰囲気を楽しんで頂けるよう期待している」。

 オルパナ氏は「今年はフィンランドと日本の友好100周年にあたり、このような年にオープンを迎えるのは素晴らしいタイミング。ムーミンはこれまで日本とフィンランドの絆を強くしてくれた。ムーミンバレーパークはその絆をより強くし、両国の友情の懸け橋になると確信している」。

 また、上田知事は「埼玉県は今、観光の部分でも伸びている。勢いのある埼玉にさらに魅力のある空間を作って頂いた。川越や秩父とリンクし、都市の人々の疲れを癒し、忘れていたものを取り戻せるような空間になれば」と期待を込めた。

 取材を通じ、全国各地から訪れた来場者からも、さまざまな声が寄せられた。

 神奈川県横浜市の伊藤紫さん(41)は「本物の自然がある中でのテーマパークなので、そこが他の施設と違う魅力。四季を感じられる場所になるといい」。

 手作りのリトルミイの衣装で揃えた福島県相馬市の河合美津子さん(61)と加藤いづみさん(60)。「ミイは元気はつらつでいたずら好きだが、実は優しい所もある。ずっと昔からのファン。ムーミン谷の雰囲気を良く再現している。キャラクターの出迎えがなかったのは残念」。

 もちろん県内からの来場者も多数。所沢市の出島梨子さん(23)は、「飯能は自然が多いので、ムーミンに合っていると思う。アトラクションや限定のグッズ、北欧系の食べ物も多いと聞いているので楽しみ」。

 7歳の娘を連れて訪れた加須市の田辺由美さん(40)は「私はムーミンのファンだが、娘はムーミンをよく知らないので、海のオーケストラ号やエンマの劇場のショーなどを一緒に見て、好きになってもらえたら」。

 地元の精明小学校の児童や家族も招待され、4年生の井関美耀子さんは「ムーミンに出てくるニョロニョロが好き。動いている所が可愛い。パンケーキが食べたい」。6年生の山下ゆららさんは「ムーミンのおうちが再現されていて、景色がきれい」などと目を輝かせた。