飯能河原の有料化実証実験 18日間で1434人が利用

大型連休中などに実証実験が行われた飯能河原(写真は4月21日)

 4月21日から5月8日までの18日間、飯能河原主要部でバーベキュー利用などを有料化する実証実験を行った飯能市と奥むさし飯能観光協会は、期間中、有料化エリアで延べ1434人の利用があったなどの結果を発表した。

 実証実験では、川の流れを穏やかに体感できる「静かな渓流ゾーン」、小さな子どもも安心して水辺遊びができる「親水ゾーン」、バーベキューやデイキャンプ用に区分けされたスペースを有料で提供する「エコBBQゾーン」など、利用目的別に河原を6つのゾーンに分け、各ゾーンの魅力や環境を維持・充実させるためのルールを設けた。

 うち、割岩橋近くに設けた「エコBBQゾーン」については、約3500平方メートルに50枠の入場スペースを設定。

 予約制・有料化として1枠最大6人が利用できるようにし、流域の環境保全や公設トイレの清掃・充実に向けた活動に充てるとして1人1000円(小学生以下無料)の利用料を集めた。

 その結果、同ゾーンでは期間中に248件・1434人の利用があり、売上高は124万9000円だった。事前予約者を優先したが、予約済みで訪れた人は554人と予約全体の37%で、残りの880人は予約なしで利用した。

 また、利用者に対してWebアンケートを実施したところ、対象248件のうち22件から回答があった。有料での飯能河原利用に63%が「非常に満足」「満足」と回答し、不満と回答した人からは「有料化を知らなかった」「予約システムの使い勝手が悪い」「駐車場が近くにない」などの声が寄せられた。回答者の居住地は都内が14人、飯能市内が4人、飯能市を除く県内が4人だった。

 飯能河原については、手軽に川遊びやバーベキューが楽しめる観光スポットとして例年多くの利用者で賑わうが、マスクをせず大声で騒いだり、飲食の食べ残しを河原に放置するなどマナーを守らない一部の来場者の行為が問題となり、市と県は昨年8月から10月にかけて河原を閉鎖した。

 市と観光協会、県が連携し、河原の地域資源としての保全や美化に向けた取り組みを本格化させ、自然空間として持続的に利用出来る環境づくりを推進していくこととし、利用方針を新たに定めるため、今回の実証実験を実施した。

 実証実験に伴い、河原利用者は例年同時期と比べて大幅に減少。迷惑行為はほとんど見られなかった反面、河原周辺の商店などからは、利用客が大きく減ったとの声も聞こえた。

 今後、事業化に向けて検討が進められる見通しで、市と観光協会は「実証実験結果について詳細の分析を進め、今後の有料化の検討に関しては飯能河原利用調整協議会等に意見を頂きながら進めたい」としている。