【読者投稿】善導寺観音堂で縁日 木造聖観音坐像を拝観

縁日に合わせ、多くの人が参拝に訪れた

4月17日に飯能市大字飯能の松林山善導寺の縁日が行われ、寺の再興による観音堂での約120年ぶりの読経と飯能市指定文化財の木造聖観音坐像の拝観が行われました。

善導寺は明治初期の神仏分離と廃仏毀釈のなかで廃寺とはなったものの、その家族により仏像や観音堂が守り続けられ、例年4月18日の縁日には草餅をつき配ったことから草餅観音とも呼ばれてきました。

昨年6月には、観音堂に安置された木造聖観音坐像が飯能市の有形文化財(彫刻)に指定され、今回の縁日は指定後最初の拝観日となりました。

今年は日曜日の17日を縁日とし、新たに門を構え、地口行灯6基と旗もあげて準備。10時からは嶋田源弘住職によって廃寺となってから約120年ぶりの読経が行われ、ウクライナの平和と新型コロナウイルスの終息を皆で願いました。読経は密にならないための配慮から観音堂の外にも椅子が並べられ、堂の中から拝観の方々に語りかける特別な形で行われました。

 読経の後には拝観に訪れた郷土史に詳しい10人ほどのグループに、これまでの善導寺の歩みを住職が説明し、第11番札所であることを記した石柱があることやこれから目指したい社会奉仕活動への抱負を語るなど、交流活動も行いました。

近所の人たちだけでなく文化新聞で縁日を知った人たちも次々に訪れ、聖観音像の文化財指定と寺の再興、ウクライナの平和と新型コロナウイルスの収束を願う、春の一日になりました(飯能市在住 加藤寛之)。