漁協の取り組みによって駆除された入間川のコクチバス

漁協の取り組みによって駆除された入間川のコクチバス

 埼玉県内水面漁場管理委員会は、入間川など県内の公共用水面でのブラックバスなど外来魚の再放流禁止として発動していた同委員会指示について、2年間延長した。指示期間は令和4年4月1日から6年3月31日まで。

 県漁場管理委員会の指示内容は、オオクチバス、コクチバス、ブルーギル及びチャネルキャットフィッシュを採捕した者は、採捕した河川湖沼及びその連続する水域にこれを再び放してはならないなどというもの。

 ブラックバスなどについては、飯能市分の入間川でもルアーで釣り上げようとする釣り人が多数いるが、委員会指示では釣ったブラックバスを再び河川へリリースすることを禁じた。

 入間漁業協同組合が管轄する入間川では、冷水域にも適応できるコクチバスがかなり以前から生息。アユなどの資源を食害することから、漁協では河川に網を仕掛けるなどして定期的な駆除を試み、成果を上げているが、完全な駆逐までには至っていない。

 もともと、入間川にコクチバスは生息していない。何者かによって密放流されたコクチバスが産卵を繰り返し、分布を拡大している。過去には、60センチもの大型のコクチバスが捕獲でされたこともある。入間川の支流である成木川にも生息しており、浄化センター近くでは産卵床も確認されている。

 前回の指示期間は、令和2年4月1日から4年3月31日まで。県漁場管理委員会は今回、外来魚の被害を防止するため、外来魚の再放流禁止に係る指示を2年間延長した。

 委員会指示とは、県漁業調整規則、免許等によって固定的に調整することが不適当な事項について、随時に局所的に漁業調整を図るため、内水面漁場管理委員会が漁業法に基づき関係者に対して指示するもの。関係者とは漁業従事者に限らず、釣り人など適用すべきすべての人を含む。

 この委員会指示に違反すると、漁業法の罰則(1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金または拘留もしくは科料)が適用される場合がある。

 オオクチバス、コクチバス、ブルーギル及びチャネルキャットフィッシュは、外来生物法(特定外来生物による生態系に係る被害の防止に関する法律)により特定外来生物に指定され、飼育、保管、運搬、販売、譲渡なども禁止されている。

 県漁場管理委員会が最初に外来魚の再放流禁止指示を出したのは、平成12年10月。この時の再放流禁止外来魚はコクチバスのみで、名栗湖、入間川、荒川と水域を限定して実施。翌13年に名栗湖に注ぐ有間川もコクチバスの再放流禁止河川に追加指定された。

 委員会指示はその後、チャネルキャットフィッシュやオオクチバス、ブルーギルを再放流禁止外来魚に追加し、委員会指示については現在まで途切れずに延長されている。

 県漁場管理委員会は漁業法第130条、地方自治法第180条の5第2項第4号に基づき、昭和25年12月に設置された組織。

 県内の河川、湖沼といった内水面での水産動植物の採捕及び増殖に関し、漁業権免許に関する漁業種類や漁場の位置の事前決定、遊漁規則の制定、知事が保護水面を指定する場合などの諮問を県から受け、答申するといった事務を司る。

 また、水産動植物の採捕に関する制限、禁止、漁場の使用の制限などについて指示を出している。

 一方、県漁場管理委員会はコイヘルペスウイルス病のまん延を防止するため、県内の公共用水面全域からコイの生きたままの持ち出し及びコイの持ち込みを禁止した現行の委員会指示について、さらに1年間継続することを決めた。指示期間は4年4月1日から5年3月31日まで。

 埼玉県内でコイヘルペスウイルス病が確認されたのは平成15年。当初と比べ、発生件数は減少しているが、収束には至っていない。引き続き、警戒が必要な状況にあることから、指示を継続した。コイヘルペスウイルス病はコイ特有の病気であることから、人に感染することはなく、この病気のコイを人が食べても害はないという。

 コイの生きたままの持ち出しとは、川や池などに放流するための移動のこと。釣りを禁止するものではないが、生体でコイを持ち帰ることはできない。コイの持ち込みとは、他の川や池などからのコイの移動・放流や、自宅の池で死んだ魚を河川や湖沼等に遺棄することを指す。川などで釣ったコイをその場で再放流することはできる。