わせがく夢育高等学校 旧東吾野小にきょう開校

旧東吾野小に開校する「わせがく夢育高等学校」

 学校法人早稲田学園(守谷たつみ理事長)はきょう1日、飯能市平戸の旧東吾野小学校に通学型単位制の通信制高等学校「わせがく夢育高等学校」を開校する。

 地域の発展につながる小学校跡地利用を図るため、市や地域の連絡協議会と連携しながら開校への準備を進め、地域人材の活用や行事への参加など、自然や環境、観光、人々との交流といった地域の力を生かした学びを推進する。

 わせがく夢育高等学校は、飯能を本校とし、川越駅東口駅前に川越キャンパスを設け、定員は両校合計で450人。

 飯能・川越から選んで通える通信制高校として、週5日間通学して確実な学力向上を目指す「全日型」、週2日の通学で高校生活と自由な時間を両立する「通学型」、選択科目や行事に出席し自分に合った時間割を組み立てることができる「マイスタイル」、登校日数・時間を自由に計画できる「フレックス」、年間8日間のスクーリングに出席し他は自宅で学習する「自学型」の学習スタイルを選ぶことができる。

 運営母体の早稲田学園は、千葉県に本校のあるわせがく高等学校と早稲田予備校を運営する学校法人。

 平成31年4月に当時の東吾野小学校、西川小学校、吾野小学校が統合して奥武蔵創造学園奥武蔵小学校が開校し、市が旧東吾野小の利活用について地域の発展につながる跡地利用の提案を広く募集したのを受け、早稲田学園は新校開校への意向を示した。

 東吾野地区の代表者で組織された旧東吾野小学校利活用推進連絡協議会との協議を経て、昨年7月に同協議会と市の3者で「旧飯能市立東吾野小学校の利活用の協議に関する基本協定」を締結、開校に向け準備を進めてきた。

 教育方針に「自由」「個性」「夢育」を掲げ、「地域の中で多様な人々との触れ合い、実体験を十分に取り入れ、自立だけでなくリーダー的な存在となれる生徒を育成する」、また、「地域の特産物、自然、環境、観光、人との結びつきから新たな自分を発見し、 地域理解を深め、物事を深く考え、発信できる力を養う」としている。

 授業では、スポーツ、音楽、コンピュータゲームを使った「eスポーツ」などの興味を高める科目、各種検定資格対策講座、大学受験対策講座などの進路目標を達成するための科目が選択でき、ICT教材を活用したリスニングやスピーキングのトレーニングで英語力を高める。

 また、市の特色である森林文化や自然、歴史など体験しながら学びを深め豊かな感性を磨き、地域の人材を特別講師として招いての講演や実習、地域のイベントへの参加を行い、地域理解を深めるとともに、自ら興味のあるものをより深め、物事を深く考える力と発信できる力を養う。市が推進するGIGAスクール構想と連携し、小・中学校との交流を深めるとしている。

 旧校舎内はリフォームが施され、雰囲気も一新。普通教室をはじめ、理科室、音楽室、メディアルームなどの特別教室、図書室、保健室、カウンセリングルーム、キャリアサポートルーム、自主学習デスク、ラウンジ、トレーニングルーム、オンライン配信ができるスタジオ付放送室、eスポーツに打ち込めるゲーミングPCなどが整備された。

 グラウンドや体育館も活用し、かつて地域の人々に親しまれた旧小学校のホタル飼育施設を復活させホタルの生息するビオトープの再生を目指すほか、農業体験を通じて命や自然、環境や食物などに対する理解を深めるため、校庭の一角に菜園「YUMEIKUファーム」を計画している。

 早稲田学園の守谷理事長、わせがく夢育高等学校の岩澤正明校長は、地域と協働して地域振興や活性化を図り、信頼される学校を目指すとし、「飯能の自然豊かな環境下で地域の教育力を活用し、多様な体験や多世代の方々との交流などを通し、コミュニケーション能力や課題発見、解決能力、プレゼンテーション能力といった新しい時代に求められる資質を育みたい」と抱負を語っている。