復興元気市ミニ版を開催 海産物食べて被災地応援

被災地の方角を向いて黙祷する参列者

 東日本大震災から11年を迎えた11日と12日の2日間にわたり、飯能市内の4会場で「復興元気市mini」が開催され、被災地支援を目的に、東北の海産物や海鮮丼などの販売が行われた。

 会場の一つ、坂石町分の法光寺では、震災が発生した11日午後2時46分に合わせ、震災犠牲者の冥福と被災地復興を願う法要が営まれた。

 「飯能から元気を届けよう」を合言葉にと震災翌年の平成24年にスタートした震災復興元気市は、毎年3月に中央公園をメイン会場に開催。

 実行委員会が主催し、飯能商工会議所、飯能市、奥むさし飯能観光協会の共催により、東北など被災地の海産物や地場産品販売などが行われ、多くの来場者で賑わう恒例行事となっていたが、新型コロナの影響を受け、令和2年、3年と中止となった。

 今年も中央公園での開催は中止となったが、違った形で開催できないかと関係者が相談、会場を分散させ感染対策を施し、東北の海産物を販売する元気市ミニ版を企画した。

 関係者が東北に出向いて海産物を仕入れ、11日には法光寺境内で海産物や海鮮丼販売、たいら栗園でわかめやめかぶなどの海藻を販売、12日には八幡町の八幡神社でドライブスルー形式での海産物販売、飯能銀座商店街の日替わり食堂で海鮮丼を提供した。

 会場では、海産物の詰め合わせをはじめ、わかめ、かまぼこ、サンマのぬか漬けなどが人気を集め、特に、タイ、カンパチ、エビ、ホタテ、マグロなどの刺身がたっぷり乗った海鮮丼はすぐに完売。

 会場を訪れた60代女性は「産地のものを食べて少しでも応援になればと思った。海鮮丼は身がプリプリしていておいしかった」と話した。

 11日に法要が行われた法光寺には震災で津波被害に遭った宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の東禅寺から預かった梵鐘が設置されており、法要には新井重治市長も出席。

 大野文敬住職ら僧侶による読経後、参列者が順番に鐘をつき、震災発生時刻の午後2時46分に合わせて黙祷を捧げ、犠牲者の冥福と被災地の復興を願った。

 震災復興元気市実行委員会の金子堅造委員長は、「東北にはまだまだ大変な思いをしている人がいる。飯能から元気を届けたいという思いで復興元気市を続けてきたが、コロナの影響で2年間、中止となってしまった。今回、大勢の方の協力を頂き、元気市のミニ版を行うことができ、飯能の人々の思いやりを感じている。来年こそは中央公園で開催できるよう、ご協力をお願いしたい」と挨拶。

 法要に出席した新井市長は、ミニ版としての元気市の開催に感謝し、「11年前に東北地方を襲った巨大地震と大津波により、大変多くの方が犠牲となり、未だに見つかっていない方も3000人を超えていると聞いている。忘れることはない。私も自然災害に強いまちづくりを掲げ、地震や異常気象など、いつ起こるか分からない災害にしっかりと立ち迎えるまちを目指したい」などと述べた。