きもの処かきぬま 店舗建替のため閉店大処分 全品3~9割引に

小紋を手にする4代目店主の清さんと、振り袖を持つ女将の美枝子さん

 飯能銀座商店街にある「きもの処かきぬま」(柿沼清店主)が、店舗の建て替えに伴い、今月31日に一度閉店する。新装開店は来年2月の予定。

 成人式の振袖や七五三祝着、結婚式などの礼装といったフォーマルな着物から、カジュアルな着物、浴衣、作務衣、甚平、足袋や草履などの和装小物、祭り用品などを扱い、呉服関係など一通り取り揃えている同店だが、在庫一掃大処分として、20日までは全ての商品を3~9割引価格で販売している。

 同店は初代・角太郎さんが大正5年に創業し、実用呉服を扱う店としてオープン。2代目・信太郎さん、3代目・安之助さん、そして4代目・清さんへと引き継がれ、今年で創業106周年を迎える。

 清さんは大学卒業後、2年間の修行を経て昭和57年に4代目店主に就任。業界全体が厳しくなる中、どう生き残るかを考えた時に、着物販売のネックとなる「敷居の高さ」を少しでも和らげようとオリジナルチラシの制作に力を入れた。

 チラシにはあえて商品の写真は載せず、店を身近に感じてもらおうと、自身の結婚式や生まれた子どもの写真など家族を登場させ、ユーモアを交えた文字通り「顔の見えるチラシ」でアピールし、地域に根差した店づくりを行ってきた。

 これまで改装を重ね店舗の規模を拡大してきたが、建物の老朽化などに伴い一度更地にし、賃貸住宅を兼ねた店舗に建て替えることに。3階建てにし、1階の一部に店舗を設ける。新店舗では、時代のニーズに合わせると共に、少しでも呉服に興味のある人が気軽に入れるような店づくりをしていきたいという。

 現在行っているセールは、3割引から最大で9割引に。最近は、稽古や観劇に行くようなややカジュアルな着物や各種つむぎ、男性は作務衣を購入する人が多いとのことで、これらの商品も割引価格で購入出来る。

 清さんは、「全商品をここまでお安くするという事は、なかなかない。気に入った物があれば、絶対お得だと思います」と話している。

 営業時間は午前9時から午後7時まで。月曜定休。期間中の支払いは現金のみ、ハローチップの提供は行わない。駐車場あり。問い合わせは、972・4058へ。