来年4月1日から名栗カヌー工房による完全民営化となる施設

来年4月1日から名栗カヌー工房による完全民営化となる施設

 飯能市は、今年度末をもって市カヌー工房の行政財産の用途を廃止し、施設の指定管理者である認定NPO法人名栗カヌー工房(山田直行理事長)=以下、名栗カヌー工房=へ建物等を譲渡する方針。

 市は、市議会12月定例会へ施設の廃止条例案、財産処分案を提案するが、議会承認されると、施設は令和4年4月1日から名栗カヌー工房による完全民営化となる。

 市カヌー工房は、都市と山村の交流とともに、森林資源の有効活用を図ることを目的に、旧名栗村で平成8年に設置され、16年4月からNPO法人名栗カヌー工房が指定管理者として管理代行が開始された。

 名栗カヌー工房の指定管理はこれまで3回更新され、現在で18年度目。

 名栗カヌー工房は、これまでカヌー製作、漕艇の指導など施設が提供するサービスの専門性や特殊性から、その高い技術と経験、知名度を生かし、施設の管理運営を効率的・効果的に行い、利用者や地域から高い評価を得ている。

 また、高い公共・公益性が認められ、平成28年には県から認定特定非営利活動法人に認定されている。

 市は名栗カヌー工房のこうした実績を評価、平成30年3月の庁議で市カヌー工房の指定管理者制度更新方針を審議する中で、名栗カヌー工房への施設等の譲渡を前提とした民営化の検討、関係者との調整など課題の整理を行うため、指定期間を最短の3年とする方針を設定。

 同年12月議会の全員協議会で説明し、指定議案を提案、本会議では全会一致での議決を得た。

 その後、市は関係者とともに課題の整理を行うなど、今後の施設の在り方を含め検討作業に着手。

 結果、施設の所有や管理を名栗カヌー工房に移管し、法人の自由な発想による自主的な運営に託すことで、利用者のニーズにより合致したサービスの提供、新規事業による利用者の確保、周辺観光との密接な連携による人の呼び込み等による地域の活性化が期待されること。

 さらに、名栗カヌー工房についても将来にわたり、市の森林・林業、観光産業の振興につながるより発展的な事業展開を図りたいとの強い意向を示していることから、完全民営化へ移行することが市の利益の増進につながると結論づけた。

 市方針は、令和4年3月31日に市カヌー工房の行政財産の用途を廃止し、普通財産に変更した上で、名栗カヌー工房に土地を貸し付け、建物等を譲渡するという内容。

 当初、市は9月議会に廃止条例案や財産処分案の関係議案を提出する考えだったが、現況測量や鑑定評価等に想定以上の時間を要したため、公有財産処分審査委員会による審査までには至らなかった。

 譲渡対象物件は、建物としてカヌー工房(平成8年6月設置)床面積466・84平方メートル、増築部分のもりの科学館(同13年3月設置)床面積121・39平方メートルと、万能木工機や集じん機、糸鋸盤などの備品類。

 貸し付け対象物件は、建物立地部分の土地と上流側の道路を挟んで2箇所の駐車場など。

 土地について譲渡ではなく貸し付けと定めた理由は、当該土地が有間ダムの湖面に隣接していることから、将来にわたりダム周辺の自然景観や環境を守っていくためには、引き続き市が土地を所有することが最善と判断したためという。