新井市長のもとへ受賞の報告に訪れた森田理事長(右2人目)と鶴澤さん(右端)、事務局の平沼さん(左端)

新井市長のもとへ受賞の報告に訪れた森田理事長(右2人目)と鶴澤さん(右端)、事務局の平沼さん(左端)

 飯能市吾野・東吾野地区をエリアに、地域住民の新たな交通移動システム「奥武蔵らくらく交通(公共交通空白地有償運送)」を実施するNPO法人奥武蔵グリーンリゾート(森田美明理事長)が、第13回埼玉県人会善行賞を受賞した。

 同賞は、地域で善行を積んでいる人や団体に対して埼玉県人会が表彰を行うもので、今回は3団体2個人が受賞した。このほど、奥武蔵グリーンリゾートの森田理事長、鶴澤政一さん、平沼弘事務局長が飯能市役所を訪ね、新井重治市長に受賞を報告した。

 奥武蔵グリーンリゾートは、吾野・東吾野両地区の地域活性化を図ることを目的に平成26年に発足。

 両地区には、西武池袋線・秩父線が運行し、東吾野、吾野、西吾野、正丸の4駅が設置されているが、多くの集落が最寄り駅まで距離があるため、車での移動を余儀なくされている。

 また、路線バスの運行はなく、タクシーの営業所が遠隔地にあるため、地域住民、特に運転が出来ない人や高齢者で免許を返納した人に対し、移動手段である公共輸送サービスが十分に提供されていない現状があった。

 そこで、地域住民の移動サポートとして、地域住民が気軽に買い物や通院などに出かけられること、観光客の移動サポートとして、地域内観光の推進を図り、地域活性化を促すことを目的として、自家用有償旅客運送制度の公共交通空白地有償運送「奥武蔵らくらく交通」を両地区で立ち上げた。

 運送区域は、両地区内の移動と、両地区から市内他地区への移動に限り、両地区から市外への移動、市外及び市内他地区からの両地区への移動には利用出来ない(日高市内の一部施設を除く)。

 両地区住民で利用登録した人、地区内の実家へ里帰りや墓参りに訪れた人、地区内の駅から観光地へ行く人などを運送。登録者数は150人で、自動車数は、10台すべて持込車両となっており、運転手は10人。

 平成30年12月9日に運行を開始し、昨年度の運行回数は622回、輸送人員は897人、走行距離は4578キロメートルを超えている。

 奥武蔵グリーンリゾートを表彰した埼玉県人会は、大正2年に創設され、「埼玉県人の知徳を進め人格を高めて社会文化の向上発展に寄与する」ことを目的として設立。

 会の目的を達成するため、講演会や講習会、展示会の開催、会報の発行のほか、平成21年に「埼玉県善行賞」を創設し、毎年地域で善行を積んでいる人や団体に対して表彰を行っている。初代会長は、渋沢栄一。

 新井市長のもとへ受賞報告に訪れた森田理事長は、「このような立派な賞をいただけたのも、ドライバーの方々をはじめ皆さんのご理解があって成り立っているから。他の地域と違い、車の運転免許の返納というのがなかなか難しい地域だが、そういった方々へ少しは手助けになっていると嬉しい」と話した。

報告を受けた新井市長は、「山間地域の足の確保が課題となっている中、素晴らしい取り組みをされている。引き続きよろしくお願いしたい」と述べ、受賞を祝福した。

 奥武蔵グリーンリゾートは、吾野・東吾野地区の新たな魅力の発見、地域の安全安心を目指し、このほかにもハイキングコースの整備や北川地域で行われる北川まつりへの参加、高麗川源流の碑周辺の草刈り、自治会と連携した久通川の草刈り、樹木選定などに取り組んでいる。

 今後は、ハイキングコースの整備をさらに進めるなどして吾野・東吾野地域への訪問者を増やし、観光地などへドライバーがガイドしながら地域を案内出来るようにしていきたいという。

 奥武蔵グリーンリゾートでは、会員を随時募集している。問い合わせは事務局平沼さん090・2677・4362へ。