阿須山中事業、検証着手 新井市長、議会で表明

阿須山中など2事業の検証着手を表明する新井市長

 飯能市の新井重治市長は24日、阿須山中土地有効活用事業と名栗地区で指定管理者によって運営されているノーラ名栗の2事業について、疑問があるなどとして、自らが座長となって真偽を調査する検証委員会を早急に設置する考えを表明した。

 同日開かれた9月定例会前の市議会全員協議会で明らかにした。

 ソーラー発電とサッカー場を建設する阿須山中、ノーラ名栗2事業の検証については、先の市長選挙で訴えていた内容。

 このうち、阿須山中事業について新井市長は、「未だ疑問や不安を感じている市民が一定数いる」とした上で、事業検証するに当たっては、開発区域が約19ヘクタールという面積であることから、「特に防災、自然保護の観点から検証したい」との考えを示した。

 また、この事業地について、市が民間事業者に年間120万円で貸し出すことについても触れ、この金額が適正かどうかなど、検証事項に加える考えも。

 さらに新井市長は、検証のための組織についても言及。「私自らが座長になり、本事業に直接的に携わっていない庁内職員による検証委員会のような組織を早急に立ち上げ、技術顧問を活用するなどしてできるだけ短期間で検証を終え、結論を出したい」と述べた。

 ただ、事業が進められている現場については、現在、台風シーズンであることから、工事を止めることの方が災害発生リスクは高くなること、工事が終盤に差し掛かっていること、県の公的許可も取っているということから、「(工事)中断による大きなリスクを負う可能性があることから、検証の間は工事の中断については考えていない」とした。