飯能署が講習会 高齢者の自転車事故防止 

グラウンドで行われた実技講習。しっかりと左右を確認してから出発

 県内で自転車に乗った高齢者の事故が多発していることから、自転車を正しく安全に利用してもらおうと、飯能署はこのほど、日高市総合福祉センター「高麗の郷」多目的グラウンドで自転車講習会を実施した。交通安全協会員の高齢者20人が参加し、座学と実技を通して安全運転の基本を学んだ。

 同署によると、県内では今年1月1日~6月23日までの間に交通事故により60人が亡くなっている。そのうち高齢者は35人で、自転車に乗っている時の事故は19人だった。

 講習会では、はじめに交通課の舩津丸勧警部補が、県内での交通事故の発生状況や交通ルール、「自転車安全利用五則」、ヘルメット着用の大切さなどについて説明。

 自転車安全利用五則は、自転車に乗るときの基本ルール。①自転車は車道が原則、歩道は例外②車道は左側を通行③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行(ただし、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体の不自由な人は歩道を通行することが出来る)④飲酒運転・二人乗り・並進の禁止、夜間はライト点灯、交差点での信号遵守と一時停止・安全確認といった安全ルールを守る⑤子供はヘルメット着用――というもので、ルールを守るよう呼びかけた。

 その後、グラウンドへ移動し、絹川小矢香巡査部長は、自転車を安全に利用するために、点検や整備を行い、各部の機能が正常に働くようにしておく必要があることして、日常点検の合言葉「ブタベルサハラ」について説明。

 合言葉は、「ブレーキ・前後輪とも良くきくか」「タイヤ・空気は十分に入っているか」「ベル・よく鳴るか」「サドル・グラグラとゆるんでいないか、両足先が地面につく高さになっているか」「ハンドル・曲がっていたり、グラグラしていないか」「反射材・汚れてないか、よく見えるか」「ライト・点灯するか」から頭文字をとったもの。

 参加者は、サドルの高さやタイヤの空気圧などを一つひとつ確認。グラウンドに設けられたコースを自転車に乗って実際に走り、左右の確認や一時停止など動作を確認した。

 最後に舩津丸警部補は、「自転車で事故に遭い、路面に頭をぶつけて亡くなる方が多く、ヘルメットを着用していれば助かったということもある。自信がない、危険だと思ったら乗らないと決断することも大切」と話し、「ぜひ今日の講習会で学んだことを今後に生かしてほしい」と呼びかけた。