正丸峠で深夜の取り締まり 不正改造車両の合同街頭検査

正丸駅でバイクの検査を行う関係者

 国道299号線でのローリング族などの不正改造車両による暴走行為が目立つことから、飯能署はこのほど、国土交通省埼玉運輸支局、県警交通機動隊などと連携し、深夜の時間帯に飯能市坂元の正丸駅駐車場を拠点に不正改造車両等に対する合同街頭検査と取り締まりを実施した。

 同署によると、国道299号では、依然として不正改造車両による暴走行為が相次ぎ、近隣住民や一般ドライバーの迷惑になっており、街頭検査が行われた正丸峠周辺は、飯能・日高と秩父方面を結ぶ山間ルート。道路が大きく蛇行する区間も多く、いわゆる「走り屋」や「ローリング族」などにとっては格好の峠道。夜間や週末になると、県内外からこうした人々がやってくるという。

 暴走行為や騒音被害を防止することを目的とした街頭検査には、署員ら35人が参加し、西武秩父線正丸駅の駐車場を拠点に、12日午後11時半から翌13日午前3時半頃まで、明らかに不正改造をしている車両や騒音を出している車両を安全な場所まで誘導し、排気騒音測定などを行った。

 乗用車・バイク合わせて12台の車両を検査し、このうち車両の整備不良や騒音などで5台が検挙され、4台に整備命令が出された。整備命令の交付を受けた自動車の使用者は、必要な整備を行い、最寄りの運輸支局、自動車検査登録事務所で車両の確認を受けることが義務付けられる。

 今年3月には、東吾野から正丸トンネルを経て芦ヶ久保の道の駅付近まで、約40キロにわたり運転技術やスピードを競い、時速100キロ以上での走行や、センターラインを越えて車を追い越すなどの暴走運転をしていたローリング族の男3人を道路交通法違反(共同危険行為等の禁止)の疑いで逮捕している。

 同署交通課の宗口義克課長は「299号での暴走行為や騒音などは5月頃から増え始めている。付近住民や一般ドライバーの迷惑になるだけではなく、事故の大きな要因になる。今後も取り締まりを強化していきたい」と話している。