日高市議会議員の田中まどか氏が、昨年3月に日高市議会定例会で可決された議員辞職勧告決議により、議員活動の自由や名誉を侵害されたとして、日高市を相手に220万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁川越支部に起こした。

 同決議は、田中氏がSNS等で発信した記述に他の議員や市政を侮辱する内容が含まれているなどとし、市議会が定めた「ソーシャルメディアの利用に関するガイドライン」に違反し「市議会の信用を失墜させ、議員としての資質に欠けるものがある」として辞職を勧告したもの。

 これに対し田中氏は、「意見を記載したもので侮辱行為にはあたらない」などとし、同決議を含むこれまでの威圧行為により議員活動の自由を侵害され精神的苦痛を受けたと主張している。

 市議会は、田中氏のSNSの投稿で他の議員などに対する侮辱や名誉棄損にあたる内容があったとして、平成31年3月に問責決議を可決。

 注意喚起をしたにもかかわらず、同じ行為を繰り返したとして昨年3月に辞職勧告決議を可決した。

 決議文には、田中氏の投稿内容について「令和2年度予算案に関して、“重点施策と銘打ったものでさえ、目玉事業も新規事業も無く、わくわく感がありません”とまで言い切っている。これは、未来を見据えた政策を予算案に反映しようとしている市政に対する侮辱であり、さらには、市民からの信頼を失わせようとする行為そのものであると認識する」と表記。

 これについて田中氏は、「予算案に対する意見を記載したもので市政に対する侮辱や市民からの信頼を失わせようとする行為にあたらない」と反論。

 このほか、「台風被害に対して“また次の台風で流され、また土木業者が儲かる”とまで書き込んでいる。再建の仕事を請け負うことになる土木業者の方々が、災害を喜んでいるかのような誤解を招く記述である」との内容については、田中氏が投稿したものではなく、別人から寄せられたコメントだとしている。

 田中氏は、「SNSへの投稿や議会報告紙の記事が市政や議会を貶める内容だったとして、一昨年の3月議会で問責決議を、さらに昨年の3月議会で辞職勧告を受けた。私は憲法上言論の自由、表現の自由が保障されている範囲内の言論、記述したに過ぎない。決議以外にもいくつもの威圧行為、不当な要求、言葉によるいじめを受けてきた。議場で議員を辞めろと言われ、議員にふさわしくないと市内外に広められた精神的苦痛と、私を支持してくださる方に余計な迷惑をかけてはいけないという新郎は、私の議員活動を委縮させた。議会内での孤立は、他の議員との交渉や妥協を困難にさせた」とし、「議会の自律的な判断を尊重するに値しない違法なものには抗わなければいけない」などとコメントしている。

 さいたま地裁川越支部への提訴は13日付で行われ、市は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。