やまね酒造 西川材製の木桶完成 市役所で23日まで展示

展示中の西川材を使った木桶。隣に立つのは、若林さん

 飯能市赤沢で、西川材を使った木桶でのどぶろくや日本酒造りを目指す「やまね酒造」(若林福成社長)。製造を進めてきた西川材製の木桶がこのほど完成し、23日まで、市役所本庁舎別館のエコツーリズム推進課前に展示されている。

 この木桶に使われた木材は、木楽里の代表・井上淳治さんが所有する東吾野の山から昨年秋に切り出した樹齢115~126年のスギの木で、製造は全国でも数少ない木桶職人の坂口直人さん(香川県小豆島)が手がけた。

 若林さんも1月中に現地を訪れ、桶の周りに巻かれている竹の輪「箍(タガ)」を編む作業や底板をはめ込む作業など一通りの作業を手伝い、1月20日に一つ目の木桶が出来上がり、同29日に二つ目が完成。2月下旬には同酒造の事務所に二つの木桶が届いた。

 今回の市役所での展示は、地元の木材を使って作った木桶を広く市民に見てもらおうと設置。木桶の大きさは、直径・高さ、横も80センチ、容量285リットル。

 同酒造では、木桶の他にも酒造りに必要な道具である櫂棒(かいぼう)や麹箱なども西川材製にこだわり、現在、木楽里で作製中。また、木桶についても、三つ目の製造に取りかかっており、「ゆくゆくは飯能市内で木桶が作れるようになるのが目標」と若林さん。

 今年の夏までにどぶろくの酒造免許を取得する準備を進めているところで、7月上旬に仕込み開始予定。

 市内もしくは県内産のコメと飯能産の天然酵母を使用することを考えており、「製造期間はおよそ7~10日間となるため、早ければ7月中には西川材製の木桶で仕込んだどぶろくを飲んで頂けるのでは。現存する木桶でのどぶろくというのは、他に承知していないので、やまね酒造が木桶でどぶろくを作るということは世界で唯一になるのでは」と期待を込める。

 「多くの人の支えがあってこの素晴らしい木桶が完成したので、色々な人たちに感謝の気持ちを込めてどぶろくづくりにまい進していきたい」と展望を語った。

 同酒造への問い合わせは、yamaneshuzo@gmail.comへ。