小規模校課題解決へ協議 南高麗では小中一貫校視野

少子化により児童生徒数が減少している地区がある一方、宅地開発で児童生徒数が増加、今後、教室不足となることが予想される地区があるなど学校間で不均衡が生じている飯能市。市は今年度、課題解決のための庁内検討組織を立ち上げた。

このほど、検討組織は関係小学校及び中学校に係る課題解決のための基本的な進め方を決め、市議会に報告した。

市によると、少子化の進行等により、小・中学校の児童生徒数が減少している。特に、南高麗小学校及び同中学校、飯能第二小学校、名栗小学校では児童生徒数が100人を下回り、学習環境、教育上における課題が生じているという。

そうした児童生徒の減少校がある一方で、南高麗地区に隣接する美杉台地区については、宅地開発によって児童生徒数が増加し、今後、教室数が不足する事態が予想されると危惧する。

各地区の課題に対し、市は今年度、庁内検討組織「小規模校の在り方等に関する検討委員会」を設置し、どう解決していくか議論を重ねてきた。今回、関係小学校及び中学校に係る課題解決のための基本的な進め方について決定し、今後、学校運営協議会、保護者等と協議を進めていくこととなったことから、議会に報告した。

検討委員会は、隣接する南高麗地区、美杉台地区の対照的な二つの課題を解決するため、美杉台地区の児童生徒が南高麗地区の小中学校に通える制度の創設、南高麗地区への小中一貫校の導入などを念頭に置き、関係方面と協議を進めることなどを明らかにした。

関係小中学校の課題解決のため、検討委員会が定めた基本的な進め方は、次のとおり。

①美杉台地区・南高麗地区の小・中学校に係る課題解決のための基本的な進め方

美杉台地区では児童生徒数が増加し、令和6年度以降、美杉台小学校において教室数が不足することが予想されます。一方、隣接する南高麗地区では〝農ある暮らし〟「飯能住まい」制度利用の世帯転入によって、新入学児童の増加が見込まれるものの、全体として児童生徒数は減少傾向にあります。

つきましては、このような隣接する地区の対照的な二つの課題を解決するため、美杉台地区の児童生徒が南高麗小・中学校への通学を選択できる制度の創設や、奥武蔵創造学園の成果を基に、南高麗小・中学校を施設隣接型小中一貫校とすることなどを視野に、学校運営協議会、保護者、地域の皆様との協議を進めてまいります。

②飯能第二小学校の児童数減少に係る課題解決のための基本的な進め方

飯能第二小学校では児童数が減少し、令和3年度からは完全複式学級となることが予想されています。

つきましては、児童数減少に係る課題の解決に向けて、令和4年度から飯能第二小学校を小規模特認校に指定し、更に魅力ある学校づくりに取り組むこと等について、学校運営協議会、保護者、地域の皆様との協議を進めてまいります。

③名栗小学校の児童数減少に係る課題解決のための基本的な進め方

名栗小学校では児童数が減少し、平成22年度から小規模特認校に指定しましたが、現在、完全複式学級となっています。

つきましては、児童数減少に係る課題の解決に向けて、名栗小学校と名栗幼稚園の連携を一層充実させる仕組み等、更に魅力ある学校づくりについて、学校運営協議会、保護者、地域の皆様との協議を進めてまいります。