「高麗王の大ファンです」。長澤社長(右)とともに酒を手にするでぇ吟醸白田さん

「高麗王の大ファンです」。長澤社長(右)とともに酒を手にするでぇ吟醸白田さん

 日高市北平沢の長澤酒造(長澤義之社長)でこのほど、「お酒大好き芸人」として活躍する吉本興業所属のお笑い芸人「でぇ吟醸白田(しらた)」さん(35)が純米酒の仕込みを体験した。

 酒好きが高じて、全国の酒蔵を巡って蔵の様子や日本酒の紹介をSNSで生配信している白田さんは、同酒造の酒の大ファン。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている酒蔵を支援したいと、タンク1本分の「高麗王純米生原酒」をプロデュース。限定ラベルを貼り、3月3日から同酒造で販売を開始する。

 白田さんは酒全般を愛し、ウイスキー検定2級を取得するなど研究熱心。特に近年は日本酒の奥深さに魅了され「地元の水を使い、その土地ならではの味を出せるのが日本酒の良さ。造り方を知り、造り手に会って話をすることで、さらに美味しく感じられる」と、精力的に全国の酒造を巡り、その様子をSNSで生配信している。

 長澤酒造を初めて訪れたのは2年前。その酒の味にすっかり惚れ込んだ。 

 「フルーティーな香りで口あたりが良い。試飲してみて、これは美味しいと感じた。高麗川の水の良さと、造り手のあたたかい人柄を感じる味わいだった」。

 その後も同酒造のイベントにたびたび訪れ漫才を披露していたが、昨年のコロナ禍以降、イベントを中止せざるを得ない状況が続いており、同酒造の酒の販売も大きな打撃を受けた。

 白田さんは「自分のできることで何か応援したい」と、自ら仕込みに携わり、長澤酒造の酒をプロデュースできないかと計画。

 「コロナ禍の中で酒蔵も大変な思いをしている。僕自身も酒造りに携わってみたいとの思いがあり、ネット配信を使って何か力になることはできないかと考え、長澤さんにプロデュースをさせて下さいとお願いした」という。

 相談を受けた長澤社長は「昨年4~5月の段階では、販売が大幅に落ち込み、こんなに在庫を抱えてしまっては新酒の仕込みをするが難しいのではと思っていた。その後、少しずつ回復し、なんとか新酒を仕込むことができたが、厳しい状況は続いている。そうした中、白田さんからこのような話を頂き、その心意気が嬉しかった」と快諾。

 新たに米を発注し、白田さんプロデュース用にタンク1本分の高麗王純米生原酒を仕込むことになった。

 仕込みの方法は「三段仕込み」。初添(はつぞえ)、踊り、中添(なかぞえ)、留添(とめぞえ)の4日間の工程で行われた。

 白田さんはこのうち3日間、同酒造に通い、杜氏の大槻良行さんら蔵人の手ほどきを受けながら、蒸米を冷ましてタンクに移す作業や、タンクの中の麹、蒸米、水を櫂棒(かいぼう)でよく撹拌させ発酵を促す作業を行った。

 酒をプロデュースするのも仕込みを体験するのも今回が初めてという白田さん。蔵人からは「初めてにしては筋がいい」と及第点をもらい「体全体を使う作業。いいお酒を造るのは本当に大変なんですね」と息を弾ませた。

 長澤社長によると、完成する高麗王純米生原酒は、口あたりは辛口、芳醇な香りを楽しめるという。1・8リットル入り500本、720ミリリットル入り500本。限定ラベルを貼り、3月3日に販売を開始する。

 また、毎年ひな祭りに合わせてやっていたイベントを中止とする代わりに、3月6日から14日まで直売会を開き、13日、14日には白田さんも酒造を訪れ販売を行う予定。

 白田さんは「酒蔵でどのようにお酒を造っているのか、知らない人も多い。生配信では、全国のお酒に興味のある人に見て頂いており、紹介したお酒を飲んでみたいという反響も多く頂く。ぜひ、長澤さんのお酒を色々な人に知ってもらいたい」と話している。

 問い合わせは、同酒造042・989・0007へ。

杜氏の大槻さん(右)の手ほどきを受けながら蒸米を冷ます

杜氏の大槻さん(右)の手ほどきを受けながら蒸米を冷ます