飯能市の大久保勝市長は12日の3月定例会冒頭、令和3年度の施政方針演説を行った。就任以来、民間の繁栄は、市の繁栄と発信し続けてきたことや、市民一人の漏れもない幸せを目指した市政運営について、「これからも1ミリたりとも変わらない」と強調。

 新型コロナウイルス感染症などへの対応に総動員で施策展開し、市の大きな目標である人口増加対策などに「大汗をかく」と決意を表明した。施政方針を上・下2回に分けて掲載する。

 市長は、市がめざすまちづくりの基本方針である第5次市総合振興計画に掲げた5つのシンボルプロジェクトごとに3年度事業、関連予算案を示した。

 「オンリーワンの森林文化都市創造プロジェクト」では、関連予算約23億9200万円を計上。森林の利活用モデルの構築、森林の利活用を主としたゼロカーボンシティの推進を掲げるとともに、移住定住のさらなる推進を図るとした。

 「交流・賑わいによる経済好循環創造プロジェクト」では新たな観光ビジョンの策定、第3次緊急経済対策の推進、メッツァだけでない市の魅力・資源のブラッシュアップなどの予算として、約4億2400万円を計上した。

 「子ども、若者の夢・未来創造プロジェクト」では、GIGAスクールの推進、保育所待機児童ゼロの維持、切れ目のない支援に向けた相談体制の充実を進め、将来を担う子ども・若者が、夢と希望を持ち、いきいきとした生活が実現できるよう、約122億3700万円の予算案を編成した。4月上旬から接種開始予定の新型コロナウイルスワクチン接種事業は、同プロジェクトに盛り込んだ。

 「グローバルなシティプロモーション推進プロジェクト」では約4500万円を予算化し、フィンランドとの交流推進、移住定住促進・スマイルプロジェクト・ふるさと納税などによるプロモーションを行い、市の魅力を発信していくとの方針を示した。

 「総合振興計画前期基本計画・第6次行政改革大綱プロジェクト」では、庁内キャッシュレス決済、マイナンバーカードの普及推進、証明書等のコンビニ交付・健康保険証としての利用促進、民間企業との連携の推進などの事業を掲げ、関連予算として約1億6000万円を組んだ。

 大久保市長の施政方針(令和3年度予算案の編成方針)は次のとおり。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は未だ先行きが不透明であり、その影響が全世界に拡大し経済活動にまで及ぶとともに、市民生活に甚大な影響を与え、働き方や生活スタイルなどの態様を大きく転換させました。

 これらの変化に合わせ、特別定額給付金の支給、緊急経済対策の創設など生活支援、事業者支援、感染拡大防止、離職者や学生などの雇用創出などに当たってまいりました。

 これらの取組は、基本方針である市民の命と健康を守ることを最優先に実施したものであり、今後も引き続き、適時適切に新型コロナウイルスワクチン接種、緊急経済対策などを講じ、市民の命と健康、そして生活を守るために全力で取り組んでまいります。

 ■一人の漏れもない幸せ

 さて、私は就任以来「民間の繁栄は、市の繁栄」と発信してまいりました。この発信は、すべて「市民一人の漏れもない幸せ」の実現のためでございます。

 本市の持続可能な発展、本市にしかできないまちづくりによって、市民の皆様に住み続けていただくこと、本市で活躍されている事業者の皆様に活動し続けていただくこと、それらの成果、実績をもって世界に発信、貢献していただくこと、そして、平和都市を宣言した本市のこれまでの歴史、文化、自然の美しさを感じることができる日々、このような想いをもち、市民一人の漏れもない幸せを目指したまちづくりを全力で進めているところでございます。

 今までも、これからも、これは1ミリたりとも変わらない私の想いであります。

 本市には多くの魅力があります。「行ってみたい、住んでみたい」といった選ばれる自治体へ、また各施策の充実により「住んで良かった、住み続けたい」と感じていただける成熟した自治体へと飛躍するため、民間を応援し、新しい生活様式“HANNOスタイル”を踏まえた交流人口の増加、定住人口の増加につなげてまいります。

 教育分野を含めた子育て支援の充実も引き続き、これまで以上に取り組んでまいります。

   ■勢いをさらに加速

 令和3年度は、総合振興計画前期基本計画の最終年度であります。節目としての集大成に向け、今までの流れ、勢いを変えることなく、さらに加速させる後期基本計画へと進化させるとともに、未来に繋げる成果を重視し、SDGsの推進、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、職員総動員で施策展開してまいります。

 そして、大きな目標である人口増加、森林の新たな利活用モデルの構築に集中的に取り組み、今まで以上に大汗をかく所存でございます。

 令和3年度予算案の編成方針について申し上げます。予算編成に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により、中長期的な先行きが見通せない状況ではありますが、第5次飯能市総合振興計画に掲げるシンボルプロジェクトを「オール飯能」体制で職員一丸となり全力で実行するとともに、「行ってみたい、住んでみたい」といった選ばれる自治体へ、また、各施策の充実により「住んで良かった、住み続けたい」と実感していただけるまちへと飛躍するため、全職員が攻める姿勢、意欲、責任、スピード感を持ち、さらに発展、加速させ、市民の期待や信頼に応えるべく基本方針を示して取り組んできたところです。

 基本方針の下、編成いたしました令和3年度予算案につきまして、前倒しして編成した補正予算案も含めまして、第5次飯能市総合振興計画のシンボルプロジェクトごとにご説明も仕上げます。

 ■定住移住の一層の推進

 初めに「オンリーワンの森林文化都市プロジェクト」でございます。

 地方創生に資する森林の利活用モデルの構築、森林の利活用を主としたゼロカーボンシティの推進、地域ごとにコンセプトを明確にした山間地域振興の推進、旧東吾野小学校・旧吾野小学校、名栗中学校の利活用、移住定住の更なる推進、暮らしやすい地域の移動・交通手段の導入、道路交通ネットワークの整備・アクセス強化など、森林文化が暮らしの中に生き、自然環境と都市機能が調和した魅了するまちを創造するプロジェクトとして、関連予算、約23億9200万円を計上いたしました。

 次に「交流・賑わいによる経済好循環創造プロジェクト」でございます。

 新たな観光ビジョンの策定、ノーラ名栗の魅力・情報発信機能の向上、観光案内機能の強化と市内回遊性の向上、新しい生活様式“HANNOスタイル”の提唱、第3次緊急経済対策の推進、創業支援、新規出店補助制度による新たなチャレンジへの支援、企業誘致の推進及び県内唯一のサテライトオフィス補助金の拡充、ふるさと納税、企業版ふるさと納税制度の活用など、メッツァだけではない本市の魅力・資源のブラッシュアップを通じて、賑わいと経済好循環を創出するプロジェクトとして、関連予算、約4億2400万円を計上いたしました。

  ■いきいきとした生活

 次に「子ども、若者の夢・未来創造プロジェクト」でございます。

 新たな教育大綱及び教育振興基本計画の推進、GIGAスクールの推進、小中学校の課題解決策の検討、全市民を対象とした新型コロナウイルスワクチン予防接種の実施、誰もが安心して住み続けられるまちづくり、保育所待機児童ゼロの維持、介護保険事業計画・老人福祉計画、障害福祉計画・障害児福祉計画の推進などのほか、継続的事業による女性と子どもにやさしいまちづくり、切れ目のない支援に向けた相談体制の充実など、将来を担う子ども・若者が、夢と希望を持ち、いきいきとした生活の実現に向けたプロジェクトとして、関連予算、約122億3700万円を計上いたしました。

 なお、子ども・子育て関連予算につきましては、予算案に前倒しした補正予算案などを合わせまして、総額で約64億3700万円、子ども一人当たりに換算いたしますと70万9000円を計上したところでございます(続く)。