立春当日に合わせて仕込みが行われているタンクのそばに立つ五十嵐社長

立春当日に合わせて仕込みが行われているタンクのそばに立つ五十嵐社長

 あす3日は、立春。飯能市川寺の五十嵐酒造(五十嵐正則社長)は、春の訪れを告げる縁起酒「立春朝搾り」を今年も出荷する。

 立春の日に搾り上がった新酒を、その日のうちに飲んでもらい、春の始まりを共に祝おうというもの。今年は明治30年以来、124年ぶりに2月3日が立春となる。

 立春朝搾りは、「日本名門酒会」(主宰・株式会社岡永、東京都中央区)が全国の協力蔵元に呼び掛け、地元の加盟酒販店と協力して行うイベントで、平成10年からスタートし、今年は37都道府県44蔵が参加。県内では五十嵐酒造だけが手掛けている。

 同酒造は今年で16年目の参加となり、今回は約5500本を出荷する予定。

 通常の酒は、仕込み具合を見ながら搾るが、「立春朝搾り」は立春当日に合わせて最高の状態で酒絞りが出来るよう、「大吟醸より神経を使う」という杜氏泣かせの仕込みが行われる。

 搾り方も、通常の機械で行う方法と、味や香りがより際立つ「槽(ふね)搾り」の2つの方法を用いて半々でブレンド。解禁となる3日午前0時から瓶詰が行われる。

 その後、川寺の神明神社の宮司からお祓いをしてもらい、無病息災、家内安全、商売繁盛、そして今年は疫病退散も祈願。各地域の酒販店が店へ持ち帰り、店に並べ、その日のうちに客に届ける。

 例年であれば、早朝から蔵元に酒販店や問屋も集まりラベルを貼る作業を行っていたが、今年は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため密にならないよう、午前5時頃に受け取りに来る方法にしたという。

 朝に搾ったばかりで、いっさいの火入れを行わない生原酒をその日に飲めるので、とても新鮮。五十嵐社長は「立春は、暦の上では春が始まる日。春を感じられるようなフレッシュな味わいに仕上がるよう仕込んでいるので、ぜひ味わってもらえたら」と話している。

 販売は飯能市内のほか、近隣地域や都内などで販売されるが、同酒造での販売はない。

 飯能を含めた近隣地域の販売店は次の通り。▽丸屋酒店(飯能市仲町20-15、972・2754)▽コミュニティストアマスオカ(同市上畑245-1、972・2810)▽増田屋分店(入間市豊岡1-15-13、04・2962・7139)▽やないや(入間市野田621-6、04・2932・0606)で、予約受付中。価格は、720ミリリットル1760円(税込)。