これまでの活動が記録されているノートを見ながら、7年の思いでを振り返る朝倉さん

これまでの活動が記録されているノートを見ながら、7年の思いでを振り返る朝倉さん

 「皆さんともう一度集まってお話したかった。コロナさえなければ」。無念の表情でそう語るのは、飯能市双柳地区行政センターで毎週1回開催していた「サロン憩」の代表・朝倉陽子さん(81)。

 7年前に同センター内の多目的室を会場にサロンを開設。高齢者を中心に小さい子どもやその親も参加し、地域の人々の心やすらぐ憩いの場になっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、2月に開催して以降、一度も集まることが叶わないまま、解散という決断を下した。

 同サロンは元々、朝倉さんが自宅の一室を使って開催していたサロンが前身。個人宅だと参加する住民にとっては敷居が高いとの声を受け、社協や最寄りの双柳地区行政センターに相談したところ、同センターの一室を会場として使用できることとなり、平成25年3月5日に第1回目のサロンが行われた。

 参加者は、70代~80代の女性が多く、小さい子どもを連れ親子で参加する人も。毎回10人前後が参加し、多い時には20人程が訪れたこともあった。

 サロンでは、おしゃべりや体操、ウノ、ランチを楽しんだり、利用者から寄贈されたエレクトーンを使っての合唱、エンディングノートの使い方を学んだりと、バラエティーに富んだ内容で、あっという間に2時間の活動時間が過ぎてしまうことがしばしば。

 月に4回の活動ということで始まったが、参加者から、「5週ある時はどうするのですか。このサロンがすごく楽しみなので、毎週やりましょうよ」などと要望があり、毎週開催することになったという。

 地域の人々の交流の場として定着していたが、今年2月、国内でも新型コロナの感染者が徐々に増え始めたことを受け、2月11日の開催後、「少し様子を見ましょう」と翌週以降の実施を見合わせた。

 その後、感染状況が落ち着くことはなく、活動を休止している間も朝倉さんの元には「いつ開催しますか」とサロンの再開を待つ参加者たちから頻繁に問い合わせの電話が来ていた。

 感染者が再び増加してきた報道などを見ているうちに、「もし、サロンを開いたことで参加者に何かあったら」と心配し、活動休止を決断。これまでの参加者へ、朝倉さんから電話で解散を告げた。その後、11月下旬に5人の世話人と集まり、活動場所のセンターへ、サロン解散の届を出した。

今回の決断について朝倉さんは、「苦渋の決断だった」と振り返る。

 「最後の開催となってしまった2月11日のサロンは、335回目だった。ここまでやったんだから、もう少し続けたいという気持ちと、年齢的に自粛しなきゃいけない人たちが多い中、そういう人を引っ張り出してまでやるのは違うのではないか、という2つの気持ちだった。コロナがなければ、と悔しく思う」。

 参加者へは、「できたらどこかでちゃんと、皆さんともう一回集まってお話したかったが、今の状況ではそういう訳にもいかない。コロナが落ち着き、またお会い出来るその時まで、お互い元気でいましょうと伝えたい」と話している。