安養寺で飯能不動尊大祭大護摩供 疫病退散など祈願

疫病退散を願い護摩を焚く松本住職、田辺貫主

 飯能不動尊を祀る飯能市双柳の實秀山安養寺(田辺秀實貫主、松本隆覺住職)で28日、「飯能不動尊大祭大護摩供」が執り行われた。

 例年は多くの祈願者が参拝するが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため非公開で行われ、僧侶たちが疫病退散や諸願成就などを祈願した。

 護摩供養は、護摩木で焚いた火に五穀を投じ、本尊を供養してその加護を願う儀式。護摩壇の炉に火を焚き、松本住職、田辺貫主が祈願者の護摩札を炎にかざして成就を願うとともに、新型コロナ感染症に罹患した人たちの回復と一日も早い収束を願った。

 今年は護摩札と共に、松本住職が描いた疫病退散の力を持つ妖怪として古くから伝わる「アマビエ」の絵と「疫病退散」「終息祈願」の文字をしたためた札が納められ、祈願者のもとに送られた。

 松本住職は、「江戸時代にはコレラの大流行があり、多くの方が亡くなったが、人々はこれまでにも、いくつもの試練を乗り越えて来た。新たな試練に直面している今、心の安らぎを失うことなく、私たちにできることを前向きに考え、進んでいくことが大切」と話している。