新天地でグラウンド整備 クラウドファンディングで支援呼びかけ 日高ボーイズ 

硬式野球チーム「日高ボーイズ」

 日高市旭ヶ丘地内で準備が進められている土地区画整理事業に伴い、市内の中学硬式野球チーム「日高ボーイズ」(南曲光弘会長)は、長年、本拠地として利用してきた同地内のグラウンドを来年3月末までに更地にして地主に返還する。

 新天地として、南平沢地内にある自治会のグラウンドが利用できることになり、現在、保護者などチーム関係者が手弁当でグラウンド整備に取り組んでいるが、資金不足が悩みの種。安全確保のための防球ネットを購入したいと、インターネットのクラウドファンディングを活用し、広く支援を呼びかけている。

 日高ボーイズは昭和57年に発足し、日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)に所属。平成22年に第13回関東ボーイズリーグ大会で初優勝するなど、選手たちは全国大会や関東大会で活躍し、プロ野球選手も輩出。現在、中学1年生から3年生まで35人が在籍している。

 本拠地グラウンドのある旭ヶ丘地内では、約35ヘクタールを対象に、組合施行による工業系土地利用を主体とした土地区画整理事業が令和3年度から予定され、圏央道鶴ヶ島インターチェンジ3キロ圏内という立地条件を生かし、工業系の企業誘致や土地の有効活用が進められる見通し。

 区画整理予定地内には、日高ボーイズの本拠地をはじめ市外の硬式野球チームのグラウンドが多数あるが、いずれも来年3月末までに更地にして返還することが決まっている。

 「子どもたちの野球のできる環境を確保したい。何とか市内で練習を続けられるグラウンドはないか」。

 日高ボーイズの関係者が手を尽くして市内を探した所、南平沢地内の自治会が交流の場として使用していたグラウンドを地域住民の理解を得て借りられることに。

 移転先が決まり、子どもたちが野球に打ち込める環境を整えるため、保護者が協力して新グラウンドの整備に着手。草刈りや高木の伐採、新たな土を入れて踏み固め、ピッチャーマウンドも手作りするなど、コロナ禍の中、少しずつ作業を進めてきた。

 野球のできる環境は概ね整ったが、もう一つ大きな課題となっているのが、周囲の安全確保。グラウンドの近くには観光客の訪れる高麗川やJR八高線の鉄橋もあり、防球ネットを設置する必要があるが、グラウンド整備により予算が底をついてしまった。

 そこで、インターネットのクラウドファンディングを活用して広く支援を募ることに。

 クラウドファンディングのサイト「CAMPEIRE(キャンプファイヤー)」を活用し、「全国大会を目指す子どもたちのために安全な防球ネットを!」として目標金額を150万円に設定し、新グラウンド整備の経緯や現状を記事や動画で紹介。

 日高ボーイズ出身で元横浜DeNAベイスターズ選手の大野貴洋さんからの応援メッセージも掲載している。

 購入型クラウドファンディングという形式により、支援者は、支援する金額に応じて地元野菜などの物産品や「新グラウンドでの始球式」「野球教室体験」などの「リターン(お返し)」を選ぶことができる。

 チーム関係者は「子どもたちが安心して野球に打ち込むためには、安全対策を講じることが大切。中学時代の野球の練習を悔いの残らないように思い切りやらせてあげたい。安全な場所で多くの人に選手の姿を見てもらいたい。皆様のあたたかいご支援をお願いします」と呼びかけている。

 支援の募集期間は12月24日まで。クラウドファンディング紹介ページのURLはhttps://camp-fire.jp/projects/view/340161

 また、新年度に向けて選手を募集中。詳細は、日高ボーイズホームページhttps://www.netto.jp/hidakaboys/