太陽光発電設備の設置に伴う災害防止や環境・景観保全を図ることを目的に、日高市が昨年8月に市・事業者・市民・土地所有者の責務、太陽光発電設備設置事業を抑制すべき特定保護区域・保護区域などを定めた「太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例」を巡り、市内で太陽光発電設備建設を計画している事業者と建設予定地の土地所有者が、権利の確認などを求める訴訟をさいたま地裁に起こし、今月10日にさいたま地裁から市に訴状が送達されたことが分かった。

 19日に開かれた市議会全員協議会で執行部が議員に報告した。

 執行部の説明によると、原告はTKMデベロップメント株式会社ほか11人で、被告は日高市。

 原告の請求の趣旨は、①原告TKMデベロップメント株式会社が、日高市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例及び同条例施行規則の規定にかかわらず、日高市内において太陽光発電設備設置事業を行うことができる権利(地位)を有することを確認する。

 ②同社以外の原告らが、日高市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例及び同条例施行規則の規定にかかわらず、日高市内において太陽光発電設備設置事業に原告ら所有の土地を各自利用することができる権利(地位)を有することを確認する。

 ③訴訟費用は被告の負担とする。

 この訴訟に対する市の対応方針について、執行部は「今回の訴訟において、市の条例等は、憲法の各規定には抵触せず、適法に成立したものと認識していることから、本件は応訴することとし、その旨の主張・立証を行っていく。訴訟の対応については、市の顧問弁護士と委任契約を締結し、進めていく」と説明した。

 「太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例」は、昨年8月22日に開かれた市議会臨時会で谷ケ﨑照雄市長から提案され、全会一致で可決、同日施行された。条例の主な内容は、土砂災害発生の恐れがあるエリア、自然環境の保全が求められるエリアなどを太陽光発電設備設置事業を抑制すべき特定保護区域・保護区域と定め、事業者は事前に届け出て市長の同意を得ることが必要とし、抑制すべき区域での事業の実施については同意しないとしている。

 条例が制定された当時、原告の事業者側は、「(条例制定の)1年前から市と協議を進めており、かなりの先行投資も行っている。この事業が仮にできなくなってしまうと、損害賠償についても検討せざるを得なくなる可能性がある」などとコメントしていた。