繋いだホースの先から放水が行われた

繋いだホースの先から放水が行われた

 山火事に備えるため、埼玉西部消防局飯能日高消防署(酒井栄二署長)は、飯能市上名栗地内の武川岳(標高1052メートル)で「林野火災対応訓練」を実施し、標高差のある山間部で長距離にわたって計54本のホースを中継し、放水を行った。

 当初は県防災航空隊と連携して山頂への消火支援物資投入訓練も計画されたが、同航空隊に出場要請が入ったため、連携訓練は中止となった。

 山火事は空気が乾燥する冬から春先にかけて多く発生し、ひとたび発生すると広範囲にわたり消火が困難。家屋などに被害が及ぶ場合もある。

 飯能市では昨年3月に中藤下郷の天覚山で山火事が発生し、消防署、消防団、県防災航空隊などが出動して消火にあたったが、鎮火までに2日を要し約2ヘクタールが燃えた。

 今回行われた訓練は、武川岳山頂付近で山火事が発生したとの想定により、訓練開始場所から目的地まで標高差250メートル、約1キロの距離を、1本20メートルの消防用ホースを計54本繋ぎ、水槽車からの水を目的地まで送水し放水するという内容。

 飯能日高消防署と同署5分署(稲荷分署、名栗分署、吾野分署、日高分署、高萩分署)から隊員39人が参加し、車両とともに名栗げんきプラザ第一駐車場に集合。

 隊員たちは資機材やホースを背負って山道を登り、無線で連絡を取り合いながら、ホースを結合。

 山間部では勾配によって水圧が落ちてしまい水を送る事が出来なくなってしまうことから、可搬ポンプ、ファイヤーパック(送水装置)を活用し、ホースとホースの間にポンプを挟んで加圧して1キロ先まで水を送り、ホースを目的地まで繋いで先端から水が出るまでに約1時間を要した。

 また、当初計画されていた防災航空隊との連携訓練では、ヘリコプターテレビ中継システムを使った上空からの情報収集、機体誘導、消火支援物資の投入などを行う予定だったが、航空隊への出場要請が入ったため中止となった。

 飯能日高消防署の担当者は、「山林火災に対しては、実践的な訓練を行う機会がなかなかなく、有意義な訓練だった。これから乾燥する季節を迎え、山林火災への備えを高めたい」としている。

 原因には、入山者によるたき火やタバコの不始末によるものも多いことから、「枯れ草など燃えやすいものがある場所ではたき火をしない」「離れるときには完全に火を消す」「タバコの火は確実に消す」などの山火事防止を呼びかけている。