日高市議会(山田一繁議長)9月定例会は、谷ケ﨑照雄市長から提出された令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和2年度一般会計補正予算(第7号、第8号)など15議案を可決し閉会した。

 市民から提出された「田中まどか議員に対する辞職勧告決議の撤回を求める請願」は賛成少数で不採択、議員提出の意見書案「国会における憲法議論の推進と国民的議論の喚起を求める意見書」の提出については賛成多数により可決された。

 令和元年度歳入歳出決算の認定に際しては、一般会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、水道事業会計、下水道事業会計の6議案で佐藤真議員(共産)が反対討論に立ち、これに対し、森崎成喜議員(志正会)、和田貴弘議員(絆の会)、加藤大輔議員(新政会)、金子博議員(志正会)、松尾万葉香議員(水と緑の会)が賛成討論を行った。

 田中議員(みんなの会)に対する辞職勧告決議の撤回を求める請願は、「今年3月定例会で採択された田中議員に対する辞職勧告決議はその理由が不当であり、決議に至る過程も不適切、内容に事実と異なる記述があり、議員の名誉を棄損している」などとして決議の撤回を求めたもので、稲浦巖議員(自然エネルギーの会)が紹介議員となり、1617人の署名が添えられた。

 議案を付託された議会運営委員会で賛成少数により不採択となったことが吉本新司委員長より報告され、討論では、齋藤忠芳議員(自然エネルギーの会)が請願に賛成、松尾議員が反対の立場で討論を行った。

 討論の趣旨は次の通り。

 ▽賛成討論(齋藤議員)=議会で正式な場を開き、田中議員の答弁を求めるのが本筋と思われる。辞職勧告決議案では、田中議員に弁明の機会を与えていない。議会制民主主義の中では必ずそのような場を提供するのが本来と考える。そのような観点から本請願に賛成する。

 ▽反対討論(松尾議員)=辞職勧告決議は、田中議員を応援している多くの方にとって受け入れ難いとの心情は理解できる。その上で本請願のそもそもの問題を指摘する。議会において一度議決された決議を撤回することは制度上成立し得ない。撤回とは議案の取り下げを指すが、これは議決前の議案にのみ有効で、一度議決されたものを撤回することはできない。仮に撤回の意味を、効果を取り消すものと解釈したとしても、議員辞職勧告決議とは、あくまで議決された一時点における市議会の意思の表明。田中議員を強制的に辞職させるものではない。従って撤回の対象となる効果自体が存在しない。つまり議会において決議を撤回することは成立し得ない。このように制度に適合しない議案に対しては否決するよりないと考えざるを得ない。

 請願者からは、本請願は気持ちを表現するものであるから否決されても構わないと聞いた。請願者の気持ち、署名を集めた方々、署名をした方々の気持ちも大切に受け止めたい。しかし、その気持ちを表現するのに注力するあまり、気持ちや思い、正義と正義をぶつけることを繰り返すことはもう終わりにしたい。私は議員間の溝が深まることは望んでいない。建設的な議論を妨げ、市民の利益にならないと考える。

 私はこの春まで田中議員と会派を組んでいた。その間、議員間の無用な分断につながる主観的な情報発信や議会での対応について、何度も意見を申し上げ話し合ってきた。しかし、残念ながら状況は改善されていないように感じている。議会の中でも本件に関する議論のために裂かれた時間はかなりのもの。

 市民の皆様には、日高市のため、市民のために、今後も実効的で建設的な請願を頂きたいし、そのような議論がおおいにできる議会により一層改革されていくよう、さまざまな視点でしっかりと議会を見て頂き、より深いご理解と応援をお願いしたい。

 以上の理由から本請願に反対する。