製作途中のカヌーの前で、西川材の優位性などを説く山田さん。中央が大野知事、左は大久保市長

製作途中のカヌーの前で、西川材の優位性などを説く山田さん。中央が大野知事、左は大久保市長

 8日の大野元裕県知事の「ふれあい訪問」では、認定NPO法人名栗カヌー工房(下名栗)も視察施設の一つに選定された。工房では、理事長の山田直行さん、系列のソグベルク(メッツァ)店長の山田理(みち)さん含め、4人のスタッフが大野知事、同道の内沼博史県議、大久保勝市長らを出迎えた。

 大野知事は、施設の活動概要の説明を山田さんらから受けた後、工房内を見学。西川材のスギを材料にした製作途中のカヌーを中心に、展示された木製のゴム鉄砲やマグカップなどさまざまな木工品を見て回った。

 無垢材で仕上げる木製マグカップは、北欧で「ククサ」と呼ばれ、プレゼントされた人は幸せになると伝承されている器。

 カヌー工房は、このククサを地元材で製造しているが、大野知事はよほど気に入ったのか、展示中のククサを手に取った後、躊躇なく購入を即決。購入までの決断があまりにも早く、そのため、工房スタッフが対応に一時戸惑う姿も。

 一通りの見学後、知事とスタッフの懇談に移行。大野知事は、「正直、これだけ多くの方が集まれるような場所だとは思っていませんでした」と、施設の規模に驚くとともに、「いろいろな方の足跡というか、楽しまれた跡がよくみえます。良い意味で、イメージが変わりました」とカヌー工房の感想を語った。

 県産材使用を県施策として推奨する大野知事は、地元西川材にも関心を示し、「材料を入手するときに御苦労はないですか」と山田さんに質問。

 山田さんは、支障なく地元材が供給されていることを述べ、その中で国内某大型観光施設が園内で使用しているカヌー用パドルを、カヌー工房が西川材のヒノキで製作していることを告げると、知事は目を見張り、「パドルにはヒノキが良いのですか」と再質問。

 山田さんは「良いですね。西川材は他産地のそれと比べて、粘りがあるのでまず折れません」などと応じた。

 また、スタッフの一人、町田和也さんがカヌー工房で作るカヌーの材料となっている西川材のスギの特性について、「スギ材で作ったばかりのカヌーは、スギの肌の白と赤色の部分の差がありますが、年数が経過するととても味わいが良くなり、オールド感が出てきます」と説明。

 大野知事は、「そこが木材の良さですね」と相槌を打ち、納得した様子だった。

 名栗カヌー工房は、2004年に設立されたNPO法人。施設は名栗湖畔にあり、市特産の西川材を活用してカヌー製作教室及びカヌー漕艇教室、木工教室の開催や、名栗湖の環境保全活動を行っている。

 学校教育、子ども会、公民館活動等のサポートにも積極的に取り組み、カヌーを通して青少年が木と自然に親しみ、体験し、やりとげる喜びを発見する場所を提供。16年には県の認定を受け、認定特定非営利活動法人となる。

 18年には、(株)ムーミン物語が運営する宮沢湖畔の「メッツァビレッジ」に工房「ソグベルク」をオープン。人気の西川材のワークショップやカヌー体験などを行っている。

 問い合わせは、認定NPO法人名栗カヌー工房(979・1117)へ。